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キコ族の少女
第11話「リベンジ-3」
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ることから、一応は応急処置をしてくれたということだけは理解できた。
 色々と言いたい事があるが、朦朧としている状態で言い争う気力も沸かず、代わりに自分の思っている言葉がスルリと、しかしポツリポツリと零れた。


「ヒソカが……援護、して……くれなかった、ら、負けて、たか、も……しれない、ね」
「―――」


 たぶん、ハクタクの攻撃だけでは体制を崩しきるのも、ハクタクの迎撃阻止も、難しかっただろう。
 結局、まだ足手まといのままだということが酷く悔しかった。
 そんな思いと巡らせてたから、消えていったシャルとマチはどうなった気になった。
 有り得ないことだが、二人がやられることは無いにせよ。何処にいるのか知っておきたかった。


「二人なら宮殿の外だよ」
「そ、と……?」


 心でも読んだのか俺を近くの壁にもたれかけさせると、聞きたいことの答えを言ってきた。
 正直、話す事すら億劫なので助かるついでに、先の戦闘で落した造血剤の入った瓶へと視線を向ける。
 案の定、俺の要望を読み取ったヒソカは瓶を拾うと、数粒ほど取り出して、指で弾くようにして俺の口へと放り込んだ。

 ヒソカの説明によると、二人は相手の能力者によって宮殿の外へ一緒に移動させられたそうだ。
 そして速攻で始末したいいものの、相手の悪あがきによって直ぐに宮殿へ戻れなくなってしまう。
 中で俺一人という状況は危険だというシャルの判断から、一番近くにいた班からヒソカが見に来たということらしい。

 また、皆に迷惑をかけてしまった。
 悔しさがこみ上げて、疲労や貧血による霞んでいた視界に歪みが加わっていく。
 だが、


ブルブルブルッ


「はにゃっ!?」


 そんな俺を叱咤するように、ポケットからもしもと言うときに使うよう渡されていた携帯が震え、喉から変な声が出てしまう。
 俺の上げた突飛な声に、ヒソカは一瞬驚いた表情をするが、すぐに小さく笑い出した。
 そんな彼に一睨みしたあと携帯をとろうと手を……


「ぁ。手、使えない」


 先の戦闘で両腕が使えなくなっているのに気付き、どうにかして携帯を取ろうと四苦八苦していると


「取ってあげるよ」
「ぇ?」


 そういって、ヒソカの手がポケットへ…


「ひぁっ!? ちょっ、どこ、さわ……!」
「気にしない、気にしない」
「ぁっ、んっ、ひぃんっ!?」


 ロリコン野郎に服を切り刻まれてしまっているので、露出度が異様に高くなっているのでヒソカの変に冷たい手が脇腹や首筋、太腿を接触して、上げたくもない女の子らしい悲鳴を上げてしまう。
 てか、尻ポケットにある携帯をとるのに、意味ないなところ触ってんじゃねぇよ!!ノブナガに言いつ
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