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キコ族の少女
第10話「リベンジ-2」
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、熱の篭った声を上げた。


「ああっ、想像しただけで堪らない!」


 そして俺に視線を向けて、何を想像したのか恍惚とした表情をする。
 ふいに、悶える眼鏡男の姿が“ある奴”にダブって見えた……そう、属性は違えど俺へ似たような視線を向けてくるヒソカって…………ぎゃーっ!この人、ロリコンの変態かよ!!

 ヒソカとの類似点を見つけてしまったが為に、条件反射的に後ずさってしまう。
 しかし、直ぐに相手は敵対する念能力者であるということを自身に言い聞かせて、その場に踏みとどまりつつ相手を睨みつける。
 そんな俺の反応をどう捕らえていたのか、悶えていた男が急に動きを止めると、ニタリと笑みを浮かべ、右手のナイフを順手に持ち直してから振り上げ―――


「さあ少女よ、私のコレクションの一つになってくれ!!」


 自身の欲望を叫びながら、地面向けてナイフを思い切り投げることで突き刺さらせると、ナイフ自体に仕掛けでもあったのか水溜まりとなっていたアルコールが発火しする。
 さらに純度の高いアルコールだったようで、4・5メートルはあるはずの天井にまで届く大きな炎が生み出され、それを背にした男の存在感がグッと増した気がして一瞬だけ気圧されてしまった。
 そんな俺のその隙を狙っていたのか……。


「ぅぁっ!?」


 ガクンと急に足元を固定されたような感覚に陥り、思わずバランスを崩しそうになる。
 慌てて足元を見るが、普通にコンクリートの廊下の上に足はあり、それ以外は何もない。
 どうして? と思うまもなく、自分が今“凝”を行っていないことに今更ながらに気付き、自分の迂闊さに腹が立った。

 相手が念能力者の場合は、”凝”を行うのは当たり前なのに相手の変態発言に気をとられ、”凝”をいつのまにか解除していたようだった。
 改めて”凝”を通して足元を見ると、男の影が背中からの炎により俺の足元まで延びていて、その影から黒い触手のようなものが俺の足に絡み付いていた。
 足を動かそうとしてもピクリともしない。

 制約でもつけて強化してあるのか、ただ単に俺よりレベルが高いか…
 後者のほうが可能性が高いが、両方という可能性もある。
 どちらにせよ、先手を打たれてしまったのは事実。

 腕だけで構えをとりつつ、これ以上相手に先手を打たれないように警戒を更に強めた。
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