第10話「リベンジ-2」
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一斉に消滅した事により制約からスッと血液が消えていく気持ち悪さと軽い眩暈が俺を襲った。
「……っ」
「ユイ?」
「大丈夫、平気」
マチの言葉に頭を軽く抑えながらも問題ないと返事をしつつ、懐に忍ばせている白い錠剤タイプの造血剤を数個取り出し、口に放り込み飲み込む。
非合法の薬ながら即効性があるので、ノブナガに借金(別に返さなくていいとは言われたが無視)して小瓶一つ分を購入し常備している。
ほんのりと身体が熱を持ち始めながら、薬の副作用で若干腹痛を覚えるが、我慢できる程度なので無視して頭を回転させる。
消滅したハクタクの全部が地面の中にいたということは、俺より上の能力者が”円”を使いそれに押しつぶされたか、相手の能力にやられたかの二択。
どちらにせよ、相手の念能力者が動き出したという証拠。
すぐさま、各班を追跡し続けるように自動操縦にしていたハクタクに、班に接触するように操作を組み込んでいく。
併せて、能力の一つを開放し自分の腕に巻きついているハクタクに向かって声を出す。
「相手の能力者が動き出した。場所は東の―――」
感のいい人は気づいたかもしれないが、ハクタクには2つの能力を付加してある。
一つはもちろん
【土に潜れる事】
それも念獣なので掘る等といった動作は必要ない。まあ、陸上の潜水艦のようなものだ汎用性は段違いで此方のほうが高いと自負できるけどね。
そして、今回使用したのが二つ目の能力
【通信機能】
受信と発信機能を持たせ、俺を中継して他のハクタクへと発信受信する。
故に、俺の近くというか“ハクタクが存在できる距離まで”という条件があるが、俺の認めた相手にしか聞こえないから傍受させれることもなく、電話のように1対1ではなく無線のような1対多数の会話が出来る。
俺の報告にすぐ答えを返したのはクロロで、全員の居場所から一番近い班へ現地に向かうように指示を出した。
「――それと、ユイ」
「何?」
「念獣での探索は中止だ。この通信だけに限定しろ」
「分かった」
クロロの指示に従って班の数だけ残し、あとは全て回収する。
そして、回収前に見た最後の情報を先頭にいるシャルへ伝えた。
「数個小隊が、こっちにきてる」
「了解」
シャルの呑気な返事をした数秒後、数百メートル先のT字路から迷彩服を着た屈強な男たちが現れる。
それなりの部隊なのか、俺たちを確認するとタイムラグなしで一人の男が指示を出すと、全員が即応して一斉射を開始した。
幸い隠れられる壁の出っ張りがあるので、散り散りに近くの物陰へと飛び込む。
「うわっ!?」
しかし貧血の影響か、俺だけ一瞬
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