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キコ族の少女
第9話「リベンジ-1」
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とだよ」


 シャルは、首を傾げるノブナガに簡易的な説明で納得させた。
 事実、彼の説明は間違ってはいないが、そこにドナー当人の意思の有無で大きく意味合いが違ってくる。

 提供者の意思で、相手に自身の臓器を渡すことは表の世界でも普通に行われている。
 しかし、裏の世界では当人の意思に関係なく行われているのが常である。
 普通は機能不全となった臓器を健康な物へと変える“この手法”を、自分の容姿の向上のために利用する人間は裏には数多くいる。
 
 そして、その被害を一番に受けるのは少数部族である。
 彼等のほとんどが、その地域で生きるうえで身体的に何かしらのアドバンテージを持っていることが多い。
 こうして、力の無い部族は侵略され……売買の道具にされる。


「でも、一介の能力者がそれをする理由が無いよ?」
「だが、可能性があることは確かだ」
「どちらにせよ、ユイと同族の奴がいるかも知れねぇことか」
「ノブナガがユイを見つけた状況も、ちょっとおかしいし何かあるのかもね」


 こうした意見が出たりしたものの、結局分かったところで現在の自分たちには関係の無いことだということで、この話はこれで終了となった。
 ノブナガも気になってはいたが、特に何か考えがあって報告したわけでなかったので食い下がる事はなく、本人達的には何の収穫もない話をユイに話すことは無かった。
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