第9話「リベンジ-1」
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走りでそれを追って行ったユイをしばらく眺めた後、ノブナガは団長とシャルへ顔を向けた。
数秒だけ沈黙が場を支配したが、クロロはそれをすぐに壊す。
「出来はどうだ?」
「初仕事がいいバネになったんだろうな。そこらにいる奴相手なら、サシで勝てるほどになったぜ」
「だが、また前回のような状態にならないとも限らないだろう?」
ノブナガのユイに対する高い評価を冷静に判断し、クロロは言葉を返す。
シャルから聞いただけであり大まかな流れでしか知らないが、ユイが初仕事で自虐的思考に陥ったことは知っている。
未だに引き摺っているようなら“破棄”が必要かとも思ったが、今までのやり取りや評価から問題はないだろうと判断できた。
それ故に、クロロは将来ユイが旅団の一員としてやっていけるのか、今回の仕事で判断しようと考えてた。
とは言っても、まだ仕事―――実戦は二度目であり、自身が言っていたように年齢上まだまだ成長の余地がある。
要は一次試験のようなものであり、以前より成長しているか、状況対応のセンス等を確かめるつもりだ。
ノブナガもそのことは十分承知しているため、ユイの評価を冷静に伝える。
「ねぇとは言い切れないが、それを考えて今回の班にしたんだろ?」
「確かに、俺とマチが一緒の班だと分かったときの張り切りようは、見てて微笑ましかったね」
クロロはユイの性格を完全に把握してはいない。
しかし、彼女のこれまでの言動からすれば、前回と同じ班にすれば似た様な反応をするのは予測できたし、彼女と深く交流している者達からすれば簡単に予想できた。
事実、彼女は皆の期待(?)を裏切る事のない反応を示している。
ふと、そのときのユイが思い出されて、三者三様ながらも同じ意味の笑みを全員が浮かべた。
「リベンジとでも考えてるんだろうよ。前回、お前とマチに迷惑をかけたのを悪いと思ってるみてぇだしな」
「気にしてないんだけどね。まあ、あの子の能力は使いようがあるし、思いが空回りしないように見張っておくよ」
「わりぃな」
その後もユイの話が少し続き、結果としてノブナガが望んだ「入団を前提とした様子見」が継続されることとなった。
彼らが話し合いをするほどまで話題となっているユイだが、別に主人公補正や希少種族だからという訳ではないし、本人が居ないので正直な意見を言ってしまえば、ここにいる三人は彼女に対して高度な戦闘力を求めては居ない。
シャルが言ったように、求められているのは、彼女の念能力である「体を持たぬ下僕達」を使った行動の拡大である。
いくら各団員が高レベルの戦闘力を保持していたとしても、それ以上の敵が現れるというのは稀にある。
原作で例えれば、暗殺一
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