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キコ族の少女
第8話「1997年……」
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「お前の例があったからかは知らねぇが、ガブが推薦してるんだよ。以前から顔を何度か出してたが、今回の仕事を見て入団させるかどうか決めるらしいぞ」
「……そうなんだ」


 これは、歴史が変化したと見るべきなのだろうか?
 でも、ヒソカが偽装入団した経緯について原作では、団員を殺して代わりとして入ったとした語られてないから、変化したと断言が出来ない。
 悪寒が治まった事も相まって、思わずヒソカを盗み見てみるも即効で気づかれて目を合わせてきた。
 そして、ニタリとした笑顔を俺に向けてくるため、サッとノブナガの背中へと退散。

 あっあの変態、マジで俺のこと狙ってるっぽい。
 団長目当てで旅団に入ろうとしてるくせに、他のやつに目移りしてるんじゃねぇよ!


「目ぇ合わせるなって言っただろうが…」
「ぅっ……ごめん」


 ヒソカの視線に犯された上に、ノブナガに怒られ意気消沈。
 でも、それはクロロが登場しヒソカの舐めるような視線が無くなったことでいくらか軽減された。


「皆、集まってるようだな……さっそくだが―――」


 グルリと周囲に見渡して、全員が揃っていることを確認したクロロは、今回の仕事の説明をさっそく始める。

 今回の仕事は、ある国の典型的な独裁者が、国民から搾取し続けて貯めに貯めた財産を頂くというもの。
 小国とはいえ一国のトップに対して強盗しようとしている事に驚くが、その独裁者は警戒心が異常に強いらしく国家予算を使用して、金庫を守るための軍隊を作って警備に当たらせている事にも驚かされる。
 これはナチスドイツの武装親衛隊みたいなやつですね?判ります。
 独裁者の私兵のようなもの故に、潤沢な資金と権力を利用した、特殊訓練を積んだ兵士や契約ハンターなど正規軍以上の戦力を保有しているらしい。
 
 
「――あと、お前等に紹介しておきたい奴が二人いる」


 一通り仕事の説明を終えた後そう言うと、クロロは俺とヒソカを一瞥する。


「え、っと……?」
「行って来い」


 どうすればいいのか困っているとノブナガに背を押されて、そのままの勢いでクロロの元へ移動する。
 その間、皆の視線が俺とヒソカ……特に俺へ集まり、緊張でキリキリしだす胃に少し顔を歪めつつも、なんとなくの流れでクロロの右手側に立つと、俺に合わせたのか左手側にヒソカが立った。
 そして、何の前触れもなく俺の頭にクロロの手が置かれ、思わずビクリと身体が震えた。


「こいつの事は知ってる奴が殆どだろうが、ノブナガが入団の推薦をしているユイだ」
「……っ」


 クロロが俺を紹介した瞬間、視線の重圧が俺を襲った。
 この世界に来たばかり―――昔の俺だったら、耐え切れずに気絶しているか逃げ出して
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