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キコ族の少女
第7話「初仕事-2」
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ど、約一年だ。
 約一年間、ノブナガの元で修行をしてきたのに、いざ実戦に参加してみれば……役に立つどころか契約違反を犯して皆の足を引っ張ってしまった。
 そんな自分の不甲斐なさに、怒りを通り越して恐怖した。

 俺はこのまま、一生役立たずなのではないのか?
 修行しても、強くなれないのではないか?
 
 そんな自己否定的な考えが普段なら浮かばないのに、今回の結果で不安定になっている俺の心が自然を浮かび上がらせていく。
 その襲い掛かってくる恐怖心から逃げるように、仕事から戻った俺は怪我の治療もせず、現在の旅団が使っている仮宿の一室に立て篭もった。
 そんなことをしても意味はないと、まだ残っていた冷静な自分が、今の俺を諭す。
 でも、自己否定の塊である俺は理解できない。理解しようとはしない。

 こんな役立たずは、捨てられるのではないか?
 フランクリンやマチ、シャル達が呆れて、冷たくなるのかもしれない。
 原作で見せた彼等の冷徹な目や態度が、自分に向けられる未来図が勝手に創造され、体の芯が冷水で浸されたように冷たくなっていく。

 ふと、誰かが部屋に近づいてくる気配がして、訓練の成果から反射的に神経を研ぎ澄ませることで、ドアの前まで来た時にノブナガだと分かった。
 ドアの前に立った彼は、数瞬だけ間を置いから声をかけてきた。


「入るぞ」
「……」


 最初から、俺の返事など期待していないのだろう。
 殆ど間をおかず、立て篭もっている部屋にノブナガが入ってくるのを、隅で膝を抱えて蹲っている俺は空気の動きで感じとれた。
 廃ビルであるため、鍵付きドアの意味を成さない扉は、錆びていたとしても抵抗なく開いたことだろう。


「何泣いてんだ」
「……」


 彼に言われて、初めて自分の目から涙が絶え間なく零れているのに気づく。
 道理で息苦しくて、景色が歪んで見えるわけだ。でも、拭き取る気力が沸かない。

 それ以降、何も言わなくなったノブナガ。
 声をかけてもピクリとも動かない俺を、どんな表情で彼は見ているのだろう。

 怒っているのだろうか?
 呆れているのだろうか?
 笑っているのだろうか?

 自分が推薦して育ててきた奴が、こんな体たらくを晒しているのだ。
 どちらにせよ、良い感情を抱いては居ないだろう。

 そう思うと、自己否定の塊である俺は更に悪いほうへと考えが向かっていき、恐怖からさらに身を硬くする。


ドカッ


 地面に散らばるゴミを足で払いのけ、乱暴な音を響かせてながら、俺の隣にノブナガは座り込んだ。
 隣に座られたことで、ビクリと体を震わせるが俺はそれ以上動かない。動けない。
 ノブナガも隣に座った以降、特に何をするわけでもなくただ無
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