第6話「初仕事-1」
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クタクに付加された能力の一つ「下僕達の目」である。
実はこの能力は、最初から意図して作ったのではなく偶然の産物である。
最初、当初は奇襲用としてハクタクを生み出し、操作をしながら“円”や“凝”を出来るように修行していたときに深く考えず、目に“凝”をしたら見えるようになっていたのだ。
自分が意図していない能力の付加については、キコ族に関係しているのかと思ったけど、未だに調べることが出来ないので考えるのは保留にしてある。
「表門には10……ううん、12人いる。全員が銃で武装している“一般人”で、能力者はいないかな」
「ふむふむ」
「次、裏門にいくね」
表門の見張りの人数を確認できたあと、裏門へとハクタクを移動させる。
ちなみに、ハクタクに“聴覚”はないが振動は探知できるので、振動を音へと変換して拾えるよう更なる開発と訓練を行っている最中だ。
「裏門には7人で、銃で武装……あっ、能力者が二人いる」
一般的に垂れ流し状態のオーラを自分の体に留める”練”を維持している体格のいいスーツ姿の黒人男性と、ジーンズにTシャツのラフな格好の西洋系の女性が、周囲に視線を配りながら見張りとして立っている。
「……契約ハンターかな?」
「だろうね」
「次は建物内を見てみるね」
……二人の顔に見覚えがあったのだが、すぐに思い出せなかったので、モブキャラだろうと判断して放置。
原作は恐ろしいほどの死亡率だから、おそらく間違いないだろう。
早々に彼の正体についての疑問を頭の隅に追いやり、代わりにシャルから見せられていた豪邸の見取り図を頭の中で思い描きながら、ハクタクを操作して建物内部へと侵入する。
こうして見張りの配置と人数、能力者の有無などを口頭でみんなに伝えていく。
本来であれば、こんな面倒なことをしなくても団員の能力を考えれば正面突破でも十分仕事の完遂は可能なのだが、今回はクライアントからの仕事なのでそうはいかない。
俺は、この世界に来るまでは幻影旅団は自由気ままに強奪や殺戮をしているだけの組織かと思っていた部分もあったのだが、短くない時間を彼等と共に過ごしているとそうではないことが分かった。
組織というのは、運営する上で確実に資金を消費するものである。旅団の場合は娯楽費が7〜8割を占めているのだが……。
そんな資金を旅団は強奪で補っているが、稀に利害が一致すると他の組織から仕事を請けることがあるのだ。
依頼主からすれば、戸籍のない人間は実に便利な存在であろう。
足がつくこともなく、実力は指名手配の等級から安心(?)できる。
今回はそのケースというわけで、依頼内容は「建造物に傷はつけないで、豪邸内の金品すべてを破壊もしく
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