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キコ族の少女
第5話「変態、現る」
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抗の意思を見せてはいるけれど、野生の本能には勝てなかったということだね。


「平気か?」
「……へ、平気」


 半年前の豚の件以来久しぶりに聞く優しい声に答えたいがために、ヤセ我慢して無事なように見せる。
 声が震えていたのはご愛嬌ということで……ぐっ、笑われた。

 苦笑するノブナガを見なかったことにして、俺はふと疑問に思ったことを口にする。
 というか、早く話題を変えないと気分が沈む。


「そういえば……なんで、屋上に?偶然じゃ、ないよね?」
「おっと、忘れるところだった」
「??」
「団長が次の仕事で、お前も同行するようにとさ」
「え? もう?」


 実は、前から仕事に参加して見ないかと誘われていたのでそんなに驚きはしないが、今頃なぜという疑問が沸く。
 それなりにという前文がつくレベルだが力を認めてもらえているが……もしかして、開発段階の能力団員の皆に見せているから、あれが判断材料になっているのだろうか?


「少し前なら、オメェの能力上達を優先させてたが”流”も上達してきたし、そろそろ空気にも慣れさせて方がいいと思ってな」
「空気……仕事の?」
「ああ。それと、念を使った戦闘の空気だな。当然だが、模擬戦と実戦は違う」
「……日時は?」
「マチが連絡する」
「んっ、分かった」


 初の実戦……だよね?
 皆に見せた能力からして、積極的な戦闘参加はしないかもしれないけど……近いうちに戦闘に対応できる能力を考えないと、戦術の幅が狭いままだと戦うのはもちろん逃げる際にも困ることになる。
 しかし、こんな俺がついていって邪魔にならないのだろうか?
 ヒソカに悪意(?)ある念を当てられれただけでこの体たらくだし……


「気にすんな。アイツがおかしいだけだ」
「……そだね」


 何気なく心を読まれたが、そこはスルーだ。
 念は精神の状態で力が上下するから、万全の状態で望まないとね。
 平常心、平常心。


「まだ俺は団長と話があるからな、終わるまで下にいる他の奴と話でもしてな」
「え?でも鍛錬中……」
「その震えてる足でか?」
「っ!?」


 気を緩めてしまったために、再び小さく震え始めていた足を両手で抑えると、無理やり震えを収める。
 バレているのは分かっていたが、改めて指摘されると若干顔が熱くなっていき、赤くなっているという自覚がさらに顔を熱くさせる原因になる。


「気にすんなっていっただろうが」
「ぅぅ〜っ」


 ポンポンと軽く頭を叩かれると、そのまま「他の奴の所で待ってろよ」と言い残して下へと降りていった。
 屋上に残されたのは顔の赤い俺とテトのみ、もう平気になったのか服の中から顔を出すと、首をかしげて俺を見つ
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