第5話「変態、現る」
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」
「ひぃっ……」
「何やってるんだ」
「の、ノブナガ!」
舐めるような視線に悪寒が全身を駆け巡り、思わず両腕で身体を抱いて後ずさる。
しかし、扉の方から聞きなれた声が聞こえ、心の中で数多の感謝を叫びながら脱兎のごとく声の主―――ノブナガの後ろへと避難する。
テトは俺の肩に乗りながらも威嚇を継続中だが……尻尾が後ろ足の間に挟まれて、虚勢を張っているだけであるのがバレバレである。
「残念。嫌われちゃった」
「おめぇのオーラが気持ち悪ぃからだ」
隠れても感じる舐めるような視線に悪寒と新たに加わった気持ち悪さから、自然と涙目になるものの、ノブナガに同意するため必死に首をコクコクと縦に揺らす。
そんな俺から視線を外したヒソカは、ノブナガへ視線を変えつつ天気の話をするかのよな気楽さで会話を続ける。
「君が師匠してるって聞いたから、どんな子を育ててるのか気になっただけだよ?」
「嘘付け。てめぇ、ユイのことずっと前からつけてただろうが」
「はい!?」
何それ!?
俺ずっと前から目をつけられてたの!?
驚きで、思わずヒソカへ視線を送ると、ノブナガを見ていた筈の視線と目がバチッと合ってしまい。
「美味しそうだ……」
「………」
「気ぃつけろ。アイツはなんでもいけるからな」
さっ、最悪だーー!!
何こいつ! 何こいつ!! 何こいつ!!!!
幼女に欲情するなんて、変態にもほどがある!
いや、原作ですでに分かってることだけどね!!
でも、被害者側になってみて分かる、こいつの変態度合いと異質なオーラ!!
「今はまだ早いから、挨拶だけ」
「ふん。ユイに手ぇだしたら殺すぞ」
「怖い怖い」
ドッとノブナガのオーラ量が増すと、ヒソカが放っていた纏わり付くようなドロっとした圧迫感が消えて、代わりに安心感を感じる暖かさが俺を包み込んだ。
ぉぉぅ……惚れてもいいですかノブナガさん。
アンタ格好良すぎです。
ヒソカはそんなノブナガのオーラを、軽く手を広げて真正面から恍惚した表情で受け止める。
……こっちは変態すぎる。
「じゃあまたね。ユイ」
「〜〜〜っ」
舐めるような視線と背筋が凍るような声+αを最後に、ヒソカは普通に歩いて屋上から姿を消した。
あの野郎、最後の最後で気持ち悪いオーラをぶつけていきやがって……
ノブナガから出ていた安心感で気が緩み、”纏”しか行っていなかった俺はそのオーラに当てられて、ノブナガの裾を掴んでいないと立っていることが不可能になるほど、足が震え上がってしまった。
場所的に巻き添えを食らったテトは、俺の服の中へ避難している……まあ、中でまだ唸ることで抵
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