第4話「○○が飛び出してきた!」
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も、俺は痛みに耐えてこの子が落ち着くのを待った。
そして、その行動は数分で収束した。
俺が危険な存在ではないと分かってくれたのか、暴れるのをやめて俺の目を見つめてきた後、自身の爪で傷ついた俺の胸にある傷を舐め始め、最後には喉を鳴らしながら俺の胸へと顔を押し付けてきた。
「あははっ、くすぐったいって」
「……まったく、何してんだか」
キツネリスが大人しくなったのを見計らって、ノブナガは近づいてくると俺の頭に手を置き、グシャグシャと撫で上げる。
でもそれが結構乱暴で、脳が揺さぶられ回復しきっていない体には若干キツイ。
「ちょっやめっ…」
「自分と似た境遇だからって助けてもいいが、ちゃんと面倒見ろよ」
「……うん」
自分の考えていたことがズバリ言い当てられ、顔が赤くなる。
親がいないと聞き、無性にこの子を助けたくて仕方なかった。俺の場合はノブナガに拾われ、押し付け的な部分もあるが生きる為の術を教えてもらっている。
そんな比較的安定した人生を歩んでいる余裕からくる、安い同情と思う人もいるかもしれない。
でも、だからと言って見捨ててもいいとは思わない。だから、俺は何の迷いも無く助けることを選んだ。
それと、蛇足だけど。
性別が変わったせいなのか、この子の表情に母性本能(?)が擽られたのも理由の一つだったり、なかったり……
……ん?
そういえば、この状況って……某アニメ映画に似てるな……くそっ、メー○ェがあれば完璧だったのに!
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