第2話「入団面接?」
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ノイズのかかった声を聞いて無意識に相手の顔を確認しようとするが、ピンボケした写真を見ているように霞んでいて相手がどんな顔か分からない。
服装と声から妙齢の女性とは分かるが、それまでである。
「誰?」と聞こうと口を開くよりも早く、体が勝手に動き車から降りた。
「こっちよ」
そう言って歩き出す相手の後を追って、またもや勝手に歩き始める自分の体。
突然の事態にパニックを起こしそうになるが、これは夢の中だということを再確認して安堵すると共に、事の成り行きに身を任せてみようと抵抗を諦めた。
俺の妨害などあってないようなものだったので、少しも変わらず体は勝手に動き続けていき、階段の手前まで移動すると先頭を歩いていた女性が振り返った。
すると、いつの間に手にしていたのか小さな鞄を俺へと差し出す。
俺(の体)は、一言も声を出さずに鞄を受け取ると進入禁止のロープを躊躇なく潜り階段を下っていく。
不気味な風の音と、闇に溶けていく自身の体に、自然を身震いをしてしまう。
しかし、俺のそんな状況を無視して階段を下りていく体はどんどんと闇へと飲み込まれていき……。
古いブラウン管のテレビの電源を切ったときに聞こえる”ブツン”という音と共に意識が途切れた。
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