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キコ族の少女
第2話「入団面接?」
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次の会話を聞くまでの短い間だったが


「で?ノブナガはこいつをここに連れてきて、どうするつもりだ?」
「団長、今すぐにじゃねぇがこいつを入団させねぇか?」


 ……Why?
 俺を幻影旅団へ入団させる?……待って待って待って!!何その死亡フラグ!!
 というか、ちょっと念が使えるかも程度のガキを入団させるなんて何考えてるの!?あ、自分で言って少し傷ついた。


「……理由は?」
「こいつは育てれば絶対強くなるね」
「根拠は?」
「……勘」


 やめてー!!勘で俺の将来を決めないで!!
 助けてくれたのは嬉しいけど、それとこれとは別だから!!


「おい」
「ひゃいっ!?」
「強くなりたいか?」
「ぁ……ぅ……」


 撫でていた手で俺の顔を自分の方へと向かせたクロロからの突然の質問に、俺は変な声をあげつつ何を言っているのか理解できなかった。
 更に、やっと開放された視線の重圧が再び襲ってきて、ただでさえ緊張で混乱している思考が更にヒドイ事になっていく。
 それでも、答えないと危険と言う脅迫概念に圧されるように無意識に聞かれた内容を考える。

 強くなりたいか?
 当然だ。キメラアントに殺されたくないから、強くなりたい。
 でも、なぜ俺の意見を聞く?
 俺の意思確認?そんな馬鹿な
 じゃあ、何で俺の意見を聞くの?
 俺の意思確認?……まさか、ありえない
 じゃあ―――――――
 

「どうなんだ?」
「っ!……つ、強くなりたいです!」


 グルグルとループしていた思考がクロロの一言で、即決されると同時に、俺の口から決定された内容が悲鳴のような声で響く。

 
「……ノブナガ、言ったからには責任もて」
「!!、悪りぃな団長」


 あ、あれ?
 もしかして、俺の一言で入団が決定?ちょっ、嘘だろう!?
 ……あ、目の前が……

 このビルに到着してからの重圧やストレス&入団という強烈な一撃で俺は意識が薄れ、その場に崩れ落ちた。



**********



 時折、夢の中で「これは夢だ」と自覚できるときがある。
 結構なスピードで走る車の後部座席で、外の景色と窓に映る自分の……少女の顔を見ながら「今がそうだな」と思った。

 そんな俺を乗せた車はしばらく走り続けた後に街の光を背にして、ある場所で停車した。

地下鉄のプラットホームへと続く階段

 都心では見慣れたものだが、入り口に「立ち入り禁止」と書かれたプレートがあるだけで、それは別の何かに見えた。
 その風景に少し萎縮していると、俺のすぐ脇にあったドアが開き外の魚が腐ったような悪臭と、肌を刺すような寒さが俺を襲った。


「―――、着いたわよ」


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