第2話「入団面接?」
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間。その声が響いた。
「珍しいな。お前が子供を拾ってくるなんて」
後ろから聞こえたその声に、手を振っていた俺は一瞬で凍りついたかのように動けなくなった。
そう、まさに蛇に睨まれた蛙のような……
「おっ、団長」
嬉々とした声を上げつつノブナガが体ごと向きを変えた為に、引き摺られるかのように俺も声の主のほうへと体を向きが変わり、彼の台詞どおりの人物が俺の眼前へと現れた。
こ、これが団長のクロロ!!
オールバックにした黒髪と、額に十字架の刺青があるイケメンだ。
前世(?)での女友達が大好きなキャラだと言っていたが……うん、実物を見て納得できる。確か現実にいたらアイツが惚れそうだ。
そんな彼が、俺に品定めするような視線を遠慮なく送ってくる。
―――はっきり言って、死にそうです。
キルアの言う通り、この人の視線を直には受けたくないです。
顔が整っているイケメンだから、なおさらヤバいし怖いです。誰か助けて……。
「ん?こいつ……キコ族か?」
「キコ族?」
団長の呟きを聞き取ったマチが疑問の声をあげた。
フリーズ状態の俺にも聞こえたので、意外と余裕があったのか心の中で首を傾げる。
そんな部族あったっけ?クルタ族ならクラピカの部族だと思うけど……キコ?
いや、存在はしてるけど紹介されてなかっただけかもしれない。
「ヨークシンを中心に遊牧民生活をしていた少数部族で、町の開発と共に部族は消滅したはずだが……」
そういって、俺に近づいてくるとゆっくりと俺へ手を伸ばしてくる。
ただ、手を伸ばしているだけなのにクロロからは異様なほどのプレッシャーというか圧力が俺へと圧し掛かってきて、無意識に目を瞑り、最初から掴んでいたノブナガのズボンを破けるほどにしがみ付くと、体を硬くさせる。
幻覚と分かっているはずなのに俺を軽く握りつぶせるほど巨大に感じる彼に、意識が飛びそうになり、目端から涙が溜まっていくのが感じられる。
「怖がるな。別に取って食うわけじゃない」
そういうと指先で俺の顎持ち上げて、恐怖で固まりつつも恐る恐る目を開いた俺の顔を覗き込んだ。
その際、フードが外れてしまい今まで隠れていた顔が全員の視線にさらされることなり、より一層体を硬くさせることなる。
「……間違いないな。”ダイヤの瞳”と呼ばれる右目に、闇に溶けるような黒髪。キコ族の特徴だ」
顎から手を離すと、今度は露になった俺の頭を軽く押し撫でる。
少々乱暴な感じがするが、逆にそれが少し気持ちよくて、硬くなっていた体が少しほぐれると共にノブナガが出かける際に言っていた「目立つ」の意味が理解できて、少し顔が綻ぶ。
まあ、それも
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