第1話「ようこそ○○○へ」
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ツと黒いズボン、それと全身を覆い隠せる……フード付きのオーバーコート?
「お前の容姿は少し目立つからな、外に出るときは隠してろ」
「あ、はい……じゃなくて、うん」
この家には鏡がないから、今の容姿を見ていないが、そんなに目立つのだろうか?
確かに現在の髪の毛は綺麗だなとは思うから、それが目立っているのかもしれない。
そんな自己解釈をしつつ、その場で借りていたシャツを脱いでTシャツなどに袖を通していく。
ちなみに目が覚めたとき、俺はボロイ布切れ一枚を身体に巻いただけの状態だった。
そんな状態なら、捨て子とか思われても仕方ないない。いや、それ以前にあんな所に子供が一人でいる時点で完全に捨て子だな。
思考の海へ意識を漂わせつつも、身体だけは渡された服を着ていき、そんな俺をノブナガはその場で待っている。
……まあ、性別が反転したとはいえ男の感性のままなので別に気にしてないけど。
というか、彼が幼女に欲情するような性癖の持ち主とは思えない。そもそも恋愛とかそういう類をする人には見え……これはさすがに失礼か?
あっ、そうだ。
目が覚めたときに着ていたのは布切れ一枚といったけど、下着は下だけだけどちゃんとつけていたから、別にノーパンじゃないよ……ん?誰に言い訳してるんだ俺?
とにかく、長い髪の毛ごとオーバーコートを羽織り、フードを被って準備は完了。
今になって気づいたが。着替えている途中何度も女になっている自分の体が目に入るが特に動揺などを起こすことがない自分に、逆に少し驚いた。
まあ、これから長い付き合いになる体だし、これは別に悪いことじゃないだろう。
「よし、いくぞ」
「うん」
そういって歩き出すノブナガの後を、小走りについていく。
歩幅が違うので、そうでもしないと置いてかれてしまうからだ。
懸命に後をついていきながら、ふと気付く。
……あれ?どこ行くか俺聞いてないんだけど?
**********
自分の後を必死についてくる少女の気配を後ろで感じながら、気持ち歩幅を縮めつつノブナガは昨日の出来事を思い返す。
気まぐれで立ち寄った場所で見つけた、捨て子の少女。
いつもの彼であればそのまま置いていくところを、彼女から漂っている”あるモノ”を見てつい拾ってしまった。
”念”、”オーラ”
自分の生活の中で、あるのが当たり前になったモノが彼女を包み込んでいた。
少女の見た目は6歳といったところで、今はフードで隠れてしまっているが腰まである綺麗な黒髪。
そして、光に当たるとダイヤのような淡い輝きを放つ右目という人体収集家にとっては手に入れてみたい特徴を除けば、どこにでもいそうな子供。
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