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キコ族の少女
第1話「ようこそ○○○へ」
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物のTシャツを着ているだけの幼女の体。


「……はぁ」


 思わず溜息が漏れた。
 夢であって欲しかったが、俺は「ハンター×ハンター」の世界(もしくは似た世界)に転生or憑依をしてしまったらしい……年端もいかぬ少女の体という最悪な条件で……。
 さらに、俺は良かったと思うが、人によっては多分最悪な事象が一つ。


「おう、起きてるか?」
「あっ、おはようございます。ノブナガさん」


 俺がこの世界に来て一番最初に会った人物である髭面の男、彼の名前はノブナガ=ハザマ。そう幻影旅団No1の“あの”ノブナガである。
 最初は俺をそのまま放って置くつもりだったそうだが、心の変化があって俺を拾ってくれたのだ。
 あのまま放置されていた場合、彼の言葉を要約すれば「私にひどいことするつもりでしょう!エロ同人誌みたいに!!」だったらしい。
 教えてくれた話を今思い出しても、背筋がヒヤリとする。

 そんな危機から救ってくれたノブナガの心を動かした変化というのは、俺の体から出ている靄のようなもののせいである。
 “念”……だと思う……というか、この世界ではそれしかないはずだ。

 今の自分は体格的に6歳くらいだろうか?
 現実であれば小学1年生になるかならないかの歳で念を習得しているとなれば、興味をもたれるのも納得できる。
 最初は、なんで念なんて覚えてるの!?とか思ってはいたが……よく考えると、今の年代を聞いてない為になんともいえないが、外の様子からして将来だろう。
 必ずキメラアントの脅威がこの世界に降りかかる。
 幸いと言うべきか結末付近までの記憶は頭の中にある。正確にはネテロの遺言の所までの記憶がある。
 キメラアントによるバイオハザードは、近隣諸国は当然ながら流星街も一時的とはいえ侵される以上、最低でも師団長クラスの実力を持っていなければ“死”または、やつらのお仲間に……なんてことになりかねない。
 脅威が去るまで隠れるか、逃げ続ければいいという選択肢もあるが、その為の準備そのものが年齢的、または金銭的に難しい。

 そう考えると、念を習得しているという今の状況は大変ありがたい。
 ノブナガに拾ってもらえなかっただろうし……


「昨日も言っただろう、敬語は止めろ」
「あ、すみま―――ごめん」
「ほれ、これ着て出かける準備しろ」
「?……わぷっ!?」


 無愛想な会話の後に、突然投げて寄越された布を受け取りきれず、顔面に直撃してそのまま押し倒された。
 この体の小ささに慣れてないので、つい男の頃の感覚で体を動かしてしまって昨日も似たような行動を何度かしてしまっている。
 今の体の不便さに何度目かの不満を感じながら、そこから脱出して布―――衣服を確認すると、子供用の白いTシャ
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