第1話「ようこそ○○○へ」
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るんだ。どう考えったて捨て“子”になんて見えないはずだ!
あまりにもズレた評価に思わず否定の言葉を出そうとして……今日、何度目になる違和感に感じた。周囲にではなく自分の身体から……
先ほど髪の毛を触る際には動きが小さかったから気づかなかったのだが、いつものより動きづらいのだ。
体験したことはないが、あえて言葉にすれば体が縮んでしまっているような感覚だ。
そんな状況を決定付けるかのように、咄嗟に男へと伸ばした手の長さや、大きさが見慣れた俺の体とは似ても似つかない小さく可愛らしいものとなっていた。
あまりのもな状況に叫び出したくなるのを必死に耐え、現状の確認とこれからを考えるように頭を働かせる。
自分の記憶を辿って、こんな状況になった原因を探るが、先の煮物の件を除いて、ここ最近の記憶がボヤけて思い出せない。
自分の記憶が当てならないとなると、今の状況を何とかするには……
「……あ、あの!」
「あん?」
目の前の男に聞くしかない。
今出した声が、少女の声のように聞こえたことで更に増大した自分の中の衝動を自分の心臓部分を手で押さえる事で宥めつ、男から情報を引き出すために言葉を続ける。
「こっ……ここは、どこなんですか?」
「流星街……つっても分からねぇか」
「……」
分からない?
とんでもない、自分の趣味のせいで理解したくないことまで理解してしまった。
俺の趣味は読書である。
といっても本格的なものではなくライトノベル系が中心で「感性や知識を云々」を抜きにした気楽なものだ。
当然ながら紙媒体ものだけでなく、ネット内にあるものも読んでいる。
そして、最近とある漫画のきっかけで「二次創作」というものに興味を持ち始めていたところであった。
そして、今の現状が俺が好んで読んできたあるジャンルの序章の部分と酷似していた。
「転生・憑依系」
場所や人によって呼び方は様々だが、登場人物が様々な理由で現在の記憶や知識を持ったまま他人に乗り移ったり、第二の人生を歩むというジャンルと似ているのだ。
目の前の男が言った「流星街」という地名……仮説だと思いながらも間違いないだろうと俺の頭は判断している。
つまり、ここは漫画「ハンター×ハンター」の世界で、俺は転生……もしくは憑依の類を体験している。
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――
小鳥達の囀り……ではなくカラスに似た鳥の不気味な鳴き声を目覚ましに、俺は目を覚ました。
まだ寝ていたいと駄々をこねる体を無理やり起こして、聞こえている鳥の鳴き声により半ば諦めつつも自分の状況を確認する。
目線を自分の体へ向けると、男
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