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太陽は、いつか―――
外伝・もっとも穢れ無き物語
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。まだその体での戦い方も知らず、対処のしかたも知らず、能力すらあやふやだ。使えることなんて焼却式と虚数魔術を交えた単純な攻撃のみ。本当に、いい的だ。

されど、ただやられ続けるわけではなく。英霊の本気の一撃で持っても倒しきれない怪物は、その体を大きくえぐられながら防ぐ手段を実行した。

『ランサー、待ちなさい!』
「っと、これは……」

その手段とは単純なもの。虚数魔術による虚数空間を盾になるよう広げただけ。たったそれだけのことながら、維持できたのなら最強の盾が完成する。
さて、英霊諸君。攻撃手段は奪われた。これより先、如何様にするのかといえば……

「アーチャー!いける(・・・)か!?」
「十分だ!」
「よし、ならタイミングは任せた!」

そんなもの、決まっている。壮絶な生前を駆け抜けたその力を持って、全力で打ち破るのみ!

『令呪をすべてあずけます、ランサー!』
「手向けとして受け取れ―――突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!」

三画の令呪でもって保護された呪槍は、虚ろの盾へ向けて放たれる。そのまま呑まれるはずの一撃はしかし、令呪による魔力でもって保護され、入らない段階で耐え続ける。
では、この後どうなるのか。少なくともセーレはこれで盾を動かせなくなった。動かすこともできず、薄くすることもできない。この盾に全魔力を注ぎ込んで槍を飲み込まなくては、致命的な一撃をくらいかねない。理性のない獣は、直感をもってそれを理解する。無数の矢が降り注ぐ可能性はあったが、槍に比べれば危険度は圧倒的に少ない。
そんな判断、まったくもって正しくはないのだが。

「陽のいと聖なる主よ」

セーレはこの場にある最大の威力をランサーの槍であると判断した。その程度の破壊力、鼻で笑われる。

「あらゆる叡智、尊厳、力を与えたもう輝きの主よ」

セーレはこの場における最大の脅威をランサーの宝具であると判断した。そのレベルの脅威など、その献身と比べたらたいしたことはない。

「我が心を、我が考えを、我が成しうることをご照覧あれ」

その英霊は、戦争を終わらせた英雄だ。文字通り大地を割り、国境を生み出した英霊だ。その献身は死して英霊となった後に伝承にそぐわぬ一撃として昇華された。

「さあ、月と星を作りしものよ。我が行い、我が最期、我が成しうる聖なる献身(スプンタ・アールマティ)を見よ」

その段階になって、さすがのセーレも正しく脅威を認識した。目の前に迫る槍を受けることなど、その一撃を受けることに比べればたいしたことではない。離脱を図り……天を駆ける船より放たれた黄金の輝きに撃ち抜かれた。聖なる献身を前に逃げ出すことなど、許されなかった。

「この渾身の一射を放ちし後に――――――我が強靭の五体、即座に|砕
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