暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
395

[8]前話 [2]次話



 草原に

  落ちたる椚の

   実を数ゑ

 故郷思へば

    君恋しける



 草の繁る公園の片隅…ふと見れば団栗が沢山落ちていた。
 久々に来たが、先日の台風で大半が落ちてしまったのだろう…。

 そんな団栗をなんとはなしに数えていると、田舎でのことが思い出される…。

 だが…田舎のことを思い出すと、どうしても彼のことをも思い出してしまい…苦笑するほかなかった…。


 やはり…彼が好きなのだ…。



 幾月も

  姿なかりし

   きみを想い

 歌を詠みしも

    心憂きけり



 もうずっと…彼の姿を見ていない…。
 彼の声も…影さえもなく…。

 それでも想い続け…耐え忍び…こうして想いを歌にしている…。

 馬鹿で阿呆だと思われるだろうが…それでも…。

 心が晴れることはない…彼がいないのだから仕方無いのだ…。


 もう…この愁いがなくなることはあるまいな…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ