ハロウィン間近!カボチャレシピ特集・その3
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「うぅ、下着を見られるなんて……」
「……もうお嫁に行けない」
ひとしきり悲鳴を上げた2人は、まるで子供のようにグズっている。
「今更パンツやブラジャー見られた位で動揺すんなっての。ここは女所帯だし、俺ともそんなに浅い付き合いでもねぇだろうに」
そもそも、艦娘のパンツやブラジャーなんてのは提督になると見慣れてしまう物だ。艦娘が着ている制服は、ただの衣服ではなく装甲の役割を果たしている。妖精さんの謎技術が詰め込まれている制服は、一定量のダメージを吸収してくれるがその許容量を超えるとその分子結合が崩壊ーー要するにボロボロになってしまう。それが所謂『中破』と呼ばれる状態であり、更にダメージが進むと機関部等の艤装の出力低下を招く。これが『大破』。そして大破状態から致命的な一撃を貰うと、機関部が停止、海上での浮力を保てなくなり、艤装はただの鉄屑兼錘(おもり)と化す。そんな状態で人が浮いていられる筈もなく、艦娘は水底へと沈んでいく。これが『轟沈』だ。ウチは轟沈こそ出さないように立ち回っているものの、大鎮守府であるからこその戦果も求められる。その為ぬるい戦闘というのは数少なく、逆に中破・大破だらけで帰投なんてのも珍しくない。そうなれば艦娘達は半裸に近い状態であり、パンツやブラジャーが見えてしまうなんてのは日常茶飯事だ。そして俺をからかって来る奴など、逆に見せつけて来ようとするんだから始末が悪い。見馴れない方が無理という話だ。ウブな童貞の小僧でもあるまいし。
「あ〜……なんだ。その、俺に見られたのが気になって嫁に行けないってんなら、イザって時には俺が貰ってやるから安心しろ」
「ホントに?」
「あぁ。今更1人増えようが2人増えようが、大差はねぇよ」
ケッコン人数に関しては間宮と伊良湖という、通常ならケッコン出来ないを2人を娶った時点で最早諦めた。これからは『来る者拒まず去る者追わず』のスタンスで行こうと思う。養えない程困窮してる訳でもねぇしな。
「やったぁ!」
「言質は取ったからね、提督!」
さっきまでグズっていたのはどこへやら、2人はニンマリと笑いながらイェーイ!と乾杯までしてやがる。どうやら俺はしてやられたらしい。
「明日から演習頑張らなきゃ、ね。鬼怒ちゃん?」
「そうだね、一日も早く指輪貰わなきゃ!んじゃ提督、ごちそうさま!」
鬼怒と由良は皿に残っていた料理と酒を急いで平らげ、そそくさと帰っていった。明日から人一倍訓練に励む事になるのだろう。
「うまくやられましたね?店長」
クスクスと笑いながら早霜に慰められてしまった。
「あ〜……まぁ、訓練にやる気を出してくれるならいいさ」
その辺は流されるままにしてりゃあ上手く行くだろ……多分。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ