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Darkness spirits Online
第6話 受け継がれる覚悟
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則《チート》もいいとこだな、おい」
「こんな……こんなことって……!」

 ――爆炎と砂嵐が噴き上がり、全てを飲み込み、どれほどの時が過ぎただろう。テントは全て、台風が通り過ぎた後のように薙ぎ倒されている。
 気絶しているプレイヤー達は無事なようだが、もし彼らの近くで照射していたならただでは済まなかっただろう。

 戦地ではなかったはずのキャンプ地は、もはや壊滅状態。

 ……だが。それほどの余波を持つ、2人の「大技」を浴びても。

「んん……やはり、私の作品はいい音を奏でてくれる。良き爆音、良き風音……実に芸術的だ。私の才能が恐ろしい限りだよ」

 ――ディアボロトは。ギルフォードは。傷一つなく、地を抉られたその場に……佇んでいた。
 サブノルクとヴァラクレイザーの一斉照射を一身に受けていながら、傷一つ追っていない白銀の帝王。雄々しいその立ち姿は、キッド達に悟らせる(・・・・)には十分だった。

 ――この「王」とは、戦いそのものが成り立たない……と。

「さぁ……終わらせましょうか。この私の手で紡ぐ、素晴らしい『物語』を」

 ディアボロトの足が、砂地を踏みしめるたび。大地は怯えるように震え、創造主にひれ伏していた。
 ――この世界そのものが、屈しているのだ。アドルフ・ギルフォードという、狂気に。

「……アー坊。俺の話、よく聞け」
「先任……!?」

 それを悟ったトラメデスは、仮面の奥で決意を固め――鋼鉄の一歩を踏み出していく。前に出始めた上司の背を見遣り、キッドは狼狽するように声を震わせた。

「奴の耐久力は、想像以上だ。恐らく奴の鎧にバフが掛かってるか……あるいは、俺達の鎧にデバフが掛けられてる。まともにやりあったところで、捕まえるどころか追っ払うことも出来ん」
「……で、では……!」
「だが……解析班だってバカじゃない。すぐに俺達を強制ログアウトさせて来るはず。それまで時間を稼いで、『精神が壊れるほどの痛み』を喰らわないようにしなきゃならねぇ」

 パワーもスピードも桁違いなディアボロトを前に、平静を保てずにいるキッド。そんな彼を庇うように立つトラメデスの背を見つめ、部下はその真意に勘付いた。

「……まさか! ダメです先任、そんなことッ!」
「いいか、アー坊。二人一組(ツーマンセル)ってのは、片方が殺られても確実に情報(データ)を持ち帰るためにあるんだ。そいつを元手に事態を解決するのが、生き残りの役目よ」
「そんなッ……!」
「それに若いお前には、お勉強に励む義務がある。いつの日かまた、こういう犯罪が起きた時のためにな。……心配すんなよ。俺は死なねぇ、絶対にな」

 自身の意図に気づき、懸命に制止を試みる部下を一瞥し。トラメデスは、仮面の奥で口元を緩め――ため息
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