第6話 受け継がれる覚悟
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なる「攻撃力」によるものと誤認していた。
「フフフ、さぁ……許しを乞うて見なさい。恥も外聞もなく、泣き喚きなさい。私以外には誰も見ていないのです、恥ずかしがることはありませんよ」
「ふざ、けるなァッ!」
バシネットの仮面に、憤怒の形相を隠して。キッドは渾身の力で鉄拳を放ち、それが顔面を捉えた瞬間――反動を利用して、後ろ回し蹴りを放つ。
だが、その連撃を浴びてもなお、ディアボロトの牙城は揺るがない。
「いいですねぇ、そのコンボ。どれ、私も一つ……練習して見ましょうか!」
「う……!」
「アー坊ッ!」
待ち受けるディアボロトの反撃。痛覚5倍の鉄拳を前に、キッドの貌から血の気が失せた――その時。
割って入ったヴァラクレイザーことトラメデスが、その拳をまともに受けてしまった。グレートヘルムの仮面に、帝王の裁きが下る。
「……かッ!」
悲鳴すら上がらないほどの激痛。脳を揺さぶるその感覚に、トラメデスは足元をふらつかせた。さらにそこへ、キッドの連撃を真似た回し蹴りが飛び込んで来る。
「先任!」
だが、その一撃がトラメデスの精神を破壊する――寸前。ヴァラクレイザーの体を抱えたキッドが、全力で地を蹴り回避に成功した。
2人揃って砂地を転がる一方、回し蹴りが生む風圧は、キャンプ地のテントを次々と薙ぎ倒している。……空振りで終わらなかったら、どれほどの痛みが待っていただろうか。
「先任、奴のベルトを!」
「……あぁ、やっぱそれしかねぇな……!」
その威力に戦慄を覚えつつ……キッドとトラメデスは同時に立ち上がり、自分達のベルトに手を伸ばす。
どのボタンを押せばいいかは――分かっている。すでに一度、その過程を見ているのだから。
『Fourth generation!! Ignition fire!!』
『Fifth generation! Ignition shoot!!』
サブノルクの手に、コントローラのグリップを模した大型ハンドガン「デモンブラスター」が現れる。それと同時に、ヴァラクレイザーの両肩に二門の大砲「グシオンダブルバスター」が出現した。
――そして。彼らが擁するその切り札に、全てを焼き払う光が収束されていく。キッドの銃には、白い閃光が。トラメデスの砲門には、四色の灼熱が。
「……そうです、それでいい。あなた方には、死闘の果ての絶望が相応しい」
「黙れ……! これで全て終わりだ!」
「あばよ似非アーティスト!」
その煌めきを前にしてなお、ディアボロトは仁王立ちを崩さない。
――そう。灼熱と閃光の奔流を浴び、ハリケーンの如く吹き荒れる砂嵐に晒されても。彼は最後まで、一歩もそこから動くことはなかった。
◇
「……はは。|反
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