第3話 仮面の装甲歩兵
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あらゆる廃墟は、さらに無惨な姿へと瓦解し……一部には、レーザーのようなもので焼き切られたような痕跡も残っていた。
近くにいたプレイヤー達は、1人残らずHP全損。……もしこれでもまだHPが残っていたら、まだ地獄の苦しみが続いていたのだろう。
「……あいつらの、姿が見えない……!?」
だが問題は、この惨劇の張本人である、当の鎧騎士達が見えないことだろう。彼らの行方を求め、キッドは視線をあらゆる方向に向ける。
「どうやら、逃げられた――いや、見逃してもらえた、ってとこか。さっき確認したが、ログアウト機能も復活してるようだぜ」
「先任、ご無事で!」
「……無事、ねぇ。まぁ、この嬢ちゃんよりはな」
すると、前にも増して砂まみれになった廃屋から、トラメデスが顔を出してきた。彼に肩を預けているエリザベスは、すでに死人のように生気が抜けている。
キッドの下で震えているプレイヤーも、顔から血の気が失せていた。
「……しかし、まさかこんなエキシビションマッチにまで出現してくるとはな。ランキングに影響する戦闘にしか出なかった今までとは、違うケースじゃねぇか」
「もしかしたら、完全なランダムではなく……何か法則性があるのかも知れません。解析班に、あらゆる視点から徹底的に洗ってもらいましょうか」
「お前も中々、人使いが荒いな」
「一刻も早く真相に辿り着かなくては、人々の不安を煽るばかりですよ。それに……」
キッドの視線が、ぐったりしているエリザベスに向けられる。ベテランプレイヤーの仮面が剥がれた、弱々しいその貌は――彼の想い人を彷彿させていた。
(……こんな顔は、もう見ていたくない)
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