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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
追憶の惨劇と契り篇
56.終局の手前で
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を浮かべて優しい声で言った。
「今度こそ大丈夫だからさ。必ず、あいつを止めてこのふざけた戦いを終わらせるんだ」
さらに一歩踏み出そうとしたその時だった。
目の前を包み込むほどのとてつもない光が大地から噴き出した。
「これは!?」
「なに!?」
大地が軋み。同時に身体に襲いかかる異様な息苦しさ。その正体は、考える前に彩斗の血が反応し、答えを出した。
「……魔力が噴き出してる」
大地から吹き出された大量の魔力。それはこの土地の龍脈から噴き出されているものだ。土地を支える魔力が大気へと吹き出されている。
それが意味することなど魔術に関する知識を持っているものなら言うまでもなくわかる。
「友妃! ここにいたんだね」
「師家様……!」
友妃が呼びかけた先には現れたのはただ一匹の黒猫。瓦礫の上から軽い身のこなしで降りてくる。
「少しまずいことになったよ。この土地の地脈が壊された」
「地脈が!?」
友妃は驚愕の表情を浮かべる。
やはり彩斗が思った通りのことが起きている。
そんなことができる存在など限られている。そしてこの地にいるものの中でそんな異常が行えるのは、神の名を持つ者たちだけだ。
彩斗が再び、動こうとすると今度は目の前に黒猫が立ちはだかった。
「待ちな、お前さんが行ったって状況は変わらないよ」
「それはどうだろうな。無駄に長く生きてるあんたなら俺がもうまともじゃないことも気づいてるだろ」
彩斗の言葉に黒猫を眉間にしわを寄せ、睨みつける。そして呆れたようにため息をついた。
「全く、どうしようもない坊やだね」
黒猫は彩斗の前から一歩横にズレる。
「好きにしな。どちらにせよ、私たちもこれ以上の手を出すのは厳しいからね」
「ああ、好きにさせてもらうよ」
これ以上、無関係の人たちを巻き込むわけにはいかない。これは彩斗たちの戦いなのだから。
彩斗が動くのに合わせて後方で動く気配を感じた。
「あんたは行かせないよ、友妃」
「で、でも……」
「あんたが行ったところで足手まといになるだけさ。それにそこまで魔力が消費してるんだ。そんな状態で夢幻龍を使えば、どうなるかぐらいはわかるだろ?」
黒猫の言葉に友妃は黙り込む。
友妃もかなり限界を迎えているはずだ。何度も無謀にも神々に挑んだのだから。それで生きているということ自体が奇跡に等しい出来事だ。
振り向くと悔しさで唇を噛み締め、涙が今にも溢れそうな彼女がそこにはいた。
友妃の気持ちは痛いほどにわかる。最初の彩斗がそうだった。力のないまま飛び込んで足手まといになるしかできなかった。
それでも助けたいという思いは変わらずそこにある。だが、挑めば、死が待っている恐怖。
そん
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