第19話 創造主の破壊
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遇はどうしますか? ……必要なら、強制的に記憶を消去することも出来ますが……」
そんなアレクサンダーと向き合いつつ、キッドは消え入りそうな声で……Rの記憶の消去を提案する。だが、アレクサンダーは優しげな面持ちのまま首を振った。
「その必要はない。彼は私のアバターが死亡した後、1分以内にギルフォードを消滅させて脱出した。その事情聴取をせねばなるまい。あの状況でいかに、あの『王』を破ったのか……」
「えぇ。俺も、大いに興味がありますよ。プロゲーマーにしかわからないVR戦術……でしょうか」
「さぁな。……どの道、君に彼の記憶の抹消などさせられんよ。そんな汚れ役はな」
「……お心遣いに感謝します」
それが、彼なりの優しさであることは、キッドにもよくわかっていた。深々と頭を下げる彼にも微笑を送り――アレクサンダーは、遠い何処かを見つめるように、視線を窓の向こうに広がる青空に向ける。
「それに……まだ、彼から『答え』を聞いていないことだしな」
――現実の世界に広がる、本当の青空を。
◇
それから1ヶ月が過ぎた、2037年6月。
アレクサンダー・パーネルは、FBI捜査官の職を辞することとなるのだが……その時のRには、知る由もなかった。
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