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Darkness spirits Online
第19話 創造主の破壊
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ているなら負けることはない。

 そう、もう奇跡は起きない。
 勝敗が覆ることはない。

「ははは……ははははァはァッ!」

 そう信じて疑わない彼は、

『Third generation!! Ignition drive!!』

「……は」

 見過ごしていた。

 最後の気力を振り絞り、身を起こしたグランタロトが。ブレイブドライバーのボタンを押し込み……「大技」を発動していたことに。

 ――そう。この戦いの中で、グランタロトだけはまだ。

 一発限りの「大技」を、使っていないのだ。

「は、はは、はぁッ!?」

 一瞬でギルフォードから嗤いが消し飛び、ディアボロトの挙動が不自然なものになる。仮想世界の僭王は、今まさにその威光を剥がされようとしていた。
 ディアボロトの方がスペックで上回っているとはいえ、HP全損に近づいている今の状況で「大技」を喰らえば、どうなるか。そこまで理解が及んだ瞬間、ギルフォードはもう、普段の自分を保てなくなっていた。

「……」

 片膝立ちの姿勢から、グランタロトはゆっくりと立ち上がっていく。額の角に集まり行く電光は、迸るように彼の体を駆け巡り……やがて、右脚の一点に収束していった。

「ま、待て、待て飛香R君! そこから動いてはいけないッ! 近づいてはッ!」
「……」

 両手を振り、脚を震わせ、ディアボロトは後退る。わなわなと消滅の恐怖に凍えるその様は、もはや「甲冑勇者」の王と呼ぶには程遠い。

「私が望んだ終末は! エンディングは! こんなものではない! こ、こんなものであってはならないッ!」
「アレクサンダー、さん……ソフィア……」

 ギルフォードの叫びは届かず。Rは譫言のように呟きながら、ゆっくりと前に歩いていく。その足元からは、紅い電光が己の力を持て余すように飛び散っていた。
 仮面に隠されたその眼は、永く続いた激痛の嵐により朦朧となっていたが――混濁した意識の中でもなお、倒すべき仇敵を追い続けている。

「やめろ、くる、な。来るな、飛香R、来るなぁああぁあッ!」

 仮面を隔てて、その眼に宿る絶対の殺意を感じ取ったギルフォードは、やがて踵を返して逃げ出していく。
 マントに躓き、よたよたとふらつきながら。震える脚で、なんとか立ちながら。それは、王とは対極に等しい醜悪な姿であった。

「……おぉおぉあぁあぁあッ!」

 ――そして。命を燃やし尽くすが如く、雄叫びを上げて。
 Rは地を蹴り飛び上がると、逃げ惑うディアボロトに天誅を下すかのように。

「やめろぉおぉおぉあぁあぁあッ!」

 頭を抱え耳を塞ぎ、のたうつように走る僭王の背へ。電光を纏う飛び蹴りを、打ち込むのだった。

 絶叫と共に、ディアボロ
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