第19話 創造主の破壊
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「ははははははっ……は!?」
仮面に隠された嗤いは、たちどころに消え去ってしまう。
グランタロトだけでなく――ディアボロトの身体まで、点滅を始めたのだ。
「な、なぜだ!? なぜ私までッ!」
自分の身に迫る消滅の危機。それを実感したギルフォードは、その理由をすぐには見出せずに頭を抱え、狼狽える。
(……ベリアンタイトの「大技」か! FBIの犬めがッ……!)
だが、グランタロトに攻め立てられた時よりかは早く、彼は思考を巡らせ答えに辿り着く。
――ギルフォードは最上位のスーパーアーマーに胡座をかき、アレクサンダーの一撃を真っ向から受け。グランタロトの捨て身にたじろぎ、幾度となく斬り付けられた。
痛覚を遮断し、あらゆる攻撃に仰け反らないディアボロトのスーパーアーマー。それは、装着者に「無敵」であると錯覚させる側面を持っている。
自身は痛みを感じることなく、相手にのみ一方的な苦痛を与え。どれほど攻撃されても、自分の体はビクともしない。そんな状況が生む増長が、この事態を招いたのだ。
――「如何に高性能なスーパーアーマーであろうと、それは所詮『仰け反り』を解消するものでしかない」。
アレクサンダーが、そう言っていたように。ディアボロトのスーパーアーマーは、ダメージそのものを無効化させているわけではなく。
ただ、痛みという感覚を奪っているに過ぎないのだ。
(く……迂闊だった……! だが、点滅の速度はグランタロトの方が遥かに早い! この調子なら、先に力尽きるのは奴の方だ!)
「死」に瀕した今になり、ようやくそれを理解したギルフォードは焦燥に駆られつつも、グランタロトの方を一瞥して平静を取り戻そうとする。
HP全損が近ければ近いほど、アバターの点滅はより早くなっていく。ディアボロトを超える早さで点滅しているRのアバターは、徐々に「死」へと近づいていた。
やはりアバターに与えるダメージ量そのものは、ディアボロトの方が上回っているのだ。痛覚5倍のスキルは攻撃力とは無関係であるため、例え痛覚5倍がなくとも結果は変わらなかっただろう。
今の戦い方を続ければ、間違いなくRが先に倒れることになる。だが、もう今の戦法以外にアレクサンダーを助ける手段はない。
「……はーッ、はッはッはァアッ! 詰んでいたのです。詰んでいたのですよ! あなた方は、最初からッ!」
「……」
「もう誰も、私すらも助かりはしない。全員が、何もかもが、美しい終幕を飾るのですよ……!」
結果を通してみれば、ギルフォードの勝利は堅いのだろう。改めて勝利を確信した彼は、再び両手を大仰に広げて勝利を宣言する。
一度の戦闘につき一発しか使えない「大技」がなくとも、基本スペックで上回っ
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