第17話 帝王の裁き
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を、最小限に抑えられる。
そう考えた彼の、咄嗟の行動だったのだが。
――それが、実行されることはなかった。
「あっ……!?」
「……ッ!」
触れたボタンを押し込む、直前。身を引きずるように飛び出したアレクサンダーが、Rを突き飛ばしたのだ。
一瞬何が起きたかわからず……しかし痛みもなく吹き飛ばされたことから、すぐに彼の仕業であると気づいたRは。
(アレクサンダー……さんッ!)
地を転がりながら、蒼い鎧騎士に手を伸ばし。
(……これが、私が果たすべき任務なんだ。これで……いい)
その仮面の奥で。アレクサンダーは、儚げな微笑を浮かべていた。
仮面という壁に隔てられたRには、見えないように。
――そして。
(せめて君だけは、いつまでも……幸せに生きて欲しい。全てを喪った私だが……ソフィアを愛してくれた、君だけは、せめて……)
親愛とも、憎しみとも、哀しみともつかない瞳は、少年を見つめたまま。
己の罪に値する、罰を受けるかの如く。
王の業火に、包まれたのだった。
「――アレクサンダーさぁあぁんッ!」
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