第17話 帝王の裁き
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、怒りと共に驚愕するRの脇をすり抜けるように。ベリアンタイトの蒼い体が、弾かれたようにディアボロトに迫る。
――ドライバーに指先を伸ばし、緑のボタンを押し込みながら。
『Sixth generation!! Ignition slash!!』
「はぁああッ!」
「アレクサンダーさんッ!」
Rが声を上げるよりも早く、ベリアンセイバーが唸りを上げた。その蒼い電光を帯びた刀身は、青白い鎌鼬を放つ。
「フンッ……!」
「くッ!? ――おぉおッ!」
だが、ディアボロトは真っ向からそれを浴びても、斃れることはなく……僅かに後退るだけであった。
「大技」すら決定打にならないディアボロトのアーマー強度に焦燥を募らせ……それでもアレクサンダーは、先ほどの初撃とは比にならない速さで踏み込み、ディアボロトの胸に斬撃を叩き込む。
しかし……それでも。白き帝王は揺るぎない姿勢のまま、微動だにしない。ただ仮面の底から、暗澹とした嗤いが響くばかりだった。
「またもや私情を挟んで暴走……ですか。あなたらしい愚直さですね、アレクサンダー・パーネル」
「くッ……! 如何に高性能なスーパーアーマーであろうと、それは所詮『仰け反り』を解消するものでしかない! 攻撃を重ねれば、貴様とてッ……!」
「……えぇ、その通りですとも。尤も……それまであなたが持てば、の話ですがね!」
「アレクサンダーさんッ!」
烈火の如き憤怒さえ踏み潰す、圧倒的能力差。目に見える形でそれを示すかのように、ディアボロトの拳が振り上げられる。
だが――その拳はアレクサンダーの顔面ではなく。彼らの間に割り込んできたグランタロトの剣に突き刺さるのだった。
「がッ!?」
「慌てずとも……君にもすぐに、素晴らしい最期を演出して差し上げますとも。華々しく戦い散る、英雄の最期をね」
衝撃のあまり、グランヘンダーが凄まじい回転と共に舞い上がる。パワータイプであるはずのグランタロトが力負けしている事態に、Rは仮面の奥で目を剥いた。
「ぐわぁああッ!」
「Rく――ごはァッ!」
「……んん、いい悲鳴です。やはり英雄の最期には、それ相応の悲劇がなくてはなりません。ロビンフットやヨシツネ、ジャンヌダルクのように……」
ギルフォードはさらに、剣を失ったグランタロトの腹に蹴りを叩き込み、その蹴り足でベリアンタイトの頬を薙ぎ払った。
一本の脚で蹂躙される鎧騎士達は、5倍の激痛に悲鳴を上げ、吹き飛ばされて行く。
「あ、ぁぐッ……!」
「くッ、う……!」
「宝剣」の化身でありながら、自らの半身とも言うべき剣を手放してしまう二人。そんな彼らを見やるギルフォードは、愉悦に満ちた笑みを浮かべてマントを翻す。
「実に愉快だ……実に
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