第13話 闇の魂
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状を変えていく。
(……魔獣、じゃない!)
やはり、「DSO」とは違う。
Rは自分の知らない「何者か」の出現に、息を呑む。ユリアヌ達も同様だ。
……だが。オーヴェルだけは、違っていた。
彼は、「何者か」の正体がすでに分かっているのか――焦りを貌に滲ませることなく、目を細めて霧を凝視している。
そんな彼の面持ちに、Rが気付いた時だった。
「……ゲームクリア、おめでとうございます。不殺を掲げた、若き勇者の英雄譚。いやはや、期待以上ですよ。素晴らしい……」
霧が、いや。霧から現れた「何者か」が、喋った。
「……っ!?」
その声に。
Rは、聞き覚えがある。
こちらに背を向ける、漆黒の礼服。床を着くステッキ。眼深く被られた帽子。
そして――肩越しにこちらを見遣る、皺の寄った貌。
「……私の最期に観るに相応しい、物語でしたよ」
この世界に来た、あの日に出会った老紳士。今ここに現れた彼は、しゃがれた声でそう、呟いた。
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