第13話 闇の魂
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ンが、オーヴェルが押したボタンと対応しているのか。
『Third generation!! Ignition drive!!』
そのボタンをRが押し込んだ瞬間。ブレイブドライバーから電子音声が響くと――グランタロトの額から伸びる角が、真紅の電光を纏い始めた。
その輝きはバチバチと音を立て、やがてRの右脚へと伝導していく。大技の発動には成功しているようだが……電光が剣に集まっているベリアンタイトとは、技の内容が異なるようだ。
(……そういうことかッ!)
だが、グランタロトの仮面に隠されたRの貌に、戸惑いはない。
彼はグランヘンダーを床に突き立てると、右脚に電光を集めたまま正面に走り出した。今まさに大技を放とうとしている、ベリアンタイトに向かって。
「ヒカル君っ!?」
その行動の真意が読めず、ユリアヌが声を上げた時。
「はあぁあぁッ!」
ベリアンセイバーに蓄積された電光が、弾け飛ぶように――光の鎌鼬が、青白く閃いた。
Rの首を刎ねんと、水平に舞い飛ぶ刃。それが出現した瞬間と……同時に。
「とぉぁッ!」
Rも左脚で床を蹴り、高く跳び上がっていた。そう、光の刃をかわすように。
「……!」
まさしく、紙一重。ベリアンタイトの一閃を、間一髪で上に跳んで回避したRは――飛び蹴りの体勢で、紅い電光を纏う右脚を、ベリアンタイトに向けて伸ばす。
「はぁあぁああぁあッ!」
大技の反動ゆえか。ベリアンタイトはかわそうとも防ごうともせず――紅い電光を、その身に受けようとしていた。
(……ッ!?)
わざと大技を喰らおうとしているようにも見える、彼の様子に何処と無く違和感を覚えつつも。
Rは、そのまま紅く発光する右脚を、ベリアンタイトの胸に叩き込んだ。
「ぐうあぁあッ……!」
強烈な轟音と共に、ベリアンタイトは苦悶の声を漏らして横転すると――青白い電光に包まれながら、オーヴェルの姿に戻ってしまった。
どうやら、ダメージが蓄積すると変身が解かれてしまうらしい。仮面を剥がれ、苦悶の表情を露わにするオーヴェルは、どこか憂いを帯びた眼差しでRを見つめていた。
「やったぁああ!」
「ヒカルさんっ……凄いです!」
「……どうやら、今回ばかりは助けられたようだな」
一方。ユリアヌ達は、この幕引きに歓声を上げ、Rの奮戦に賞賛を送っていた。そんな彼女達を尻目に、Rは自分を見つめるオーヴェルと視線を交わす。
(……この、人は……)
オーヴェル……もとい、オーヴェルに当たるキャラクターを演じさせられている、かも知れない外国人の男性。
この世界における彼には、ユリア
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ