第12話 赤と青、剣と剣
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――瓦礫の崩落が生む土埃が、辺りを覆い隠してしまった。
『Set up!! Third generation!!』
やがて。土埃の中から、あの電子音声だけが響き渡ると。
その中から現れた電光を振り払うように――ベリアンタイトと同じ、甲冑と鉄仮面に全てを覆い隠した鎧騎士が飛び出してきたのだった。
臙脂色のボディスーツの上に纏われる、薄いベージュのプロテクター。
アーメットヘルムを被ったその姿は、ベリアンタイトと同規格のようにも見えるが――額から伸びた雄々しい角が、彼との違いを物語っているようだった。
さらに胸鎧や両端の肩鎧は力強く盛り上がったデザインであり、スマートなベリアンタイトと比べて非常にマッシブなシルエットになっている。その上半身のアーマーは、下半身の軽鎧と比べると極めて分厚い。
その色遣いは――80年代のゲーム機を彷彿させていた。
更にその手には、ベリアンタイトの鎌鼬を斬り裂いた宝剣「グランヘンダー」が握られている。
イリアルダ家に残された、二本の宝剣の片割れ――という「設定」の、大剣だ。
その紅く重厚な両手剣を振るい、土埃の中から現れた鎧騎士は……先ほどまでこの場で戦っていた黒髪の少年と同じ「上段の構え」で、ベリアンタイトと対峙していた。
「……あれは……!」
「宝剣『グランヘンダー』の化身……!」
土埃を振り払い、そんな彼の背中を見つけたユリアヌは。Rの「変身」を目の当たりにした、テイガートとネクサリーは。
2人の「宝剣」の化身達が対決しているこの状況に、固唾を飲むのだった。
「……『紅殻勇者グランタロト』!」
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