暁 〜小説投稿サイト〜
Darkness spirits Online
第11話 友との戦い
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ら転がり出ると、剣を構え直す。テーブル中央に大穴が開いたのは、その直後だった。

(……なら、オレも……覚悟を決めるしかないッ!)

 やがて彼は意を決するように白刃を振り上げ、二人に向かって正面から突進し始める。

「何を考えてるんだねっ!?」

 ノアラグンが動揺しながらも、鉄球を撃ち放った。

 彼は敵が走って来る場合、その走るスピードから計算して、敵が通過すると予測した位置に鉄球を落とす。

(……狙うなら、その「手順」だ!)

 その戦法を逆手に取り、Rは彼が鉄球を投げる瞬間に僅かに減速した。

 結果、鉄球はRの僅か手前に落下し、同時に落ちた鉄球と衝撃による土埃が目くらましとなった。

「なぁ……!?」
(……取ったッ!)

 Rはそこから鉄球の上を飛び越え、土埃に身を隠しつつ、さらに前進する。

「見えてるぞ……もらった!」

 それでも、ダイナグの目はごまかせなかったらしい。魔法炎銃の銃弾が次々と襲い掛かって来る。

 ここまで近付いたからには、もう避け切ることはできない。
 となれば、Rが生き延びる術は一つ。
 防御だ。

「ぐっ――らああああああっ!」

 直撃コースの火炎弾をいくつか剣で受け止め、Rはそのまま突き進む。
 当然ながら火を鉄製の剣に受け続ければ、熱が伝導していく。あっという間に、柄を握るRの手元にまで熱気が染み込んできた。

「……ぉぉおおおッ!」

 彼はそれでも剣を離さず、握っていられるギリギリまで、二人に向かって走り続けた。

「終わりにするぞ……ここでッ!」

 そして剣の熱気が限界に達し、赤熱が発生する瞬間。Rは素早く剣を鞘へ納め、ノアラグンの顔面に思い切り投げ付けた。

 土埃でRを見失っていた彼は、突然眼前に飛んできた謎の物体に反応出来ず、「ぎゃふうっ!?」と悲鳴を上げて昏倒してしまった。
 頭上をひよこが飛び交っているノアラグン――俊史の額からは、小さな煙が立ち上っている。

「ノアラグンッ!?」

 ダイナグも土埃で反応しきれなかったらしく、派手な音を立てて倒れたノアラグンに驚きを隠せずにいた。
 その僅かな隙を、Rは見逃さない。

「そこだッ!」

 一瞬で間合いを詰め、魔法炎銃の銃身を掴む。

「がぁっ!?」

 そして、その手を下に向かって引っ張り、彼の後ろ足が浮くほどに体勢を崩したところへ。体重を目一杯乗せた顔面ストレートを、お見舞いするのだった。

「ごはぁあっ!?」

 鼻血を噴き出し、一メートルほどぶっ飛んだダイナグは、もんどりうって倒れてしまった。

「はぁっ、はぁっ……!」

 息を切らして肩を上下に揺らしながら、倒れたダイナグとノアラグンを一瞥すると。Rは
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ