第9話 破天荒な姫君
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も、私が倒したこの山賊も、命に別状はない。しかし、この先もそうとは限らないと覚えておけ!」
テイガートもこの空気を察していたらしい。この機に乗じて先に進むつもりなのか、高圧的な態度で残りの連中を一喝した。
結局、他の山賊達は気圧されるあまり敵わないと感じたのか、悲鳴を上げながら洞窟の外へと飛び出して行った。
これで予想される次の展開は、主犯格のガイアン・バイルブランダーとの対決。いよいよ、「ボス戦」が始まる。
(……さぁ、次はどう変わる……?)
◇
さらに洞窟の奥に進み続けると、怪しく辺りを照らす二つの燭台にたどり着いた。
入り口にあったものと同じだ。
「この奥に、奴がいる――というわけだな」
「ユ、ユ、ユリアヌ様のためにも、私、頑張ります!」
「……ユリアヌ嬢を捕まえるほどの手練れ。そうだとしても、奴は極力生け捕りにしたい。オレはそのつもりで戦わせてもらう」
「……フン。不愉快ながら、貴様と同意見だ。奴には、生きて罪を償わせる必要があるからな」
Rの主張に、珍しくテイガートが同調する。やはり大雅の人格の影響もあり、一人も死なせまいとする心理が働いているようだ。
今回の事件の主犯格であるガイアン・バイルブランダーの捕縛。そして、ユリアヌ・リデル・イリアルダの救出。いずれも容易い任務ではないが、なんとしてもやり遂げねばならない。
まだ見ぬクラスメート達を、この世界から救うためにも。
(――よし、行くぞ!)
Rは鞘を握って薄暗い洞窟の中を突き進み、その後ろをテイガートとネクサリーが続いていく。
……やがて眼前にうっすらと、二つの人影が見えてきた。彼らは激しくぶつかり合い、この洞窟の中で火花を散らしている。
「このユリアヌ様を娶ろうなんて、百万年速いわよ!」
「ええぃ、すばしっこい! グダグダ抜かしてねぇで、俺様のオンナになりやがれっ!」
間違いなく、ユリアヌ・リデル・イリアルダと、ガイアン・バイルブランダーの二人だ。
囚われたと見せかけ、持ち前の怪力で拘束を破り反撃に出ている最中――という、「DSO」の筋書き通りの展開だった。ユリアヌは拳を、ガイアンは斧を武器に熾烈な戦いを繰り広げている。
彼女はミニスカートから覗く白い足を露わに、白い下着が見えることも厭わず大胆な蹴り技を連発していた。
その渦中へ、R達三人はようやく到着した。ようやく主人との再会を果たし、テイガートとネクサリーは破顔する。
「ユリアヌ様! ご無事で!」
「ユリアヌ様ぁあ……! よかったですぅ……!」
「テイガート、ネクサリー! 来てくれたのね! ――って、あれ? あなたは……?」
「あ、こちらは救援に駆け付けてくださったヒカルさんという人で
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