第9話 破天荒な姫君
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行き詰まっていた時、Rの頭上を飛び越えて、二人の騎士が現れた。
「あとは、お任せください!」
「ま、待てテイガート! ネクサリーッ!」
腰から引き抜かれた細身の優雅な剣――を包む鞘が、風に流されるように山賊達を打ち抜いていく。
(……!? まさか!)
――テイガートもネクサリーも、基本的に不殺はしない。敵とあらば抜き身で斬り伏せるのが、彼らのやり方だ。
しかし、彼らは剣を抜かずRと同じ鞘のまま、山賊達を打撃で気絶させていた。本来の「DSO」なら、まずあり得ない光景だ。
(真殿君……! 蟻田さん……!)
……やはり、大雅や利佐子の精神はここにも影響を及ぼしている。クラスメート達を救おうと言う気持ちは、彼らの中にも無意識下に息づいているのだ。
「き、騎士団の連中かッ! こんなところにまで……!」
「我らはイリアルダ家に仕える騎士。貴様らに然るべき制裁を下すべく参上した!」
「ほ、ほざけ!」
山賊の一人が、いきなり攻め入ってきた騎士をひねりつぶそうと、人間二人分の面積はあろうかというほどの巨大な鎚を振り下ろしてくる。
あれを避けようとしたら、攻撃の面積が広いから足捌きではかわしきれない。
だから左右もしくは後ろへ跳ぶしかないのだが、それでは他の山賊達に狙い撃ちにされる。
それに、騎士団の剣であれほどの巨大なハンマーを、受け止められるはずがない。
「テイガート様ッ!」
ネクサリーも動揺し、声を上げる。
しかし、当のテイガートは全く動じていなかった。それどころか、してやったりの顔で笑ってすらいる。
「この私を――テイガート・デュネイオンを見くびったことが、貴様の唯一にして最大の敗因だ」
ニヤリと口角を上げたかと思うと、次の瞬間にはハンマーを振り下ろした山賊の懐に飛び込んでいた。
「な、なにい!?」
「左右の回避は不可、後退も不可、防御も不可。……ならば前に進むだけだ」
山賊は驚愕のあまり声を上げる。
しかし、それ以上彼が何かを喋ることはなかった。
間髪入れずに放たれたテイガートの一閃が、山賊の胸を打ち抜いていたからだ。
崩れ落ちるように倒れる山賊。
それに対し、テイガートの方は無傷であるばかりか呼吸一つ乱れていない。
――Rが思っていた以上に。この世界のテイガートは、オリジナルを上回っているようだ。本来なら、あの巨漢は主人公が倒さねばならない相手なのだから。
たった今テイガートに討たれた山賊は連中にとってもかなりの強者だったらしい。
彼が倒れた途端、向こうの雰囲気から気後れに近いものを感じた。
「これ以上続けるつもりなら、死者を出すことも厭わんぞ! 我々と同行してきたこの男に倒された者達
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