第6話 一方的な再会
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、そんな猛者が現れる気配はなさそうだ。
「おお、やる気かヒカル! ガッツあるなあ!」
ダイナグは空席が一つだけなのをいいことに、他人事扱い。
「実は俺とノアラグンも別の依頼されててよぉ、お前だけ仲間はずれにしちまうのは気が引けるから、返事は保留にしてたんだが……」
「行くのがお前一人だってんならちょうどいいじゃねぇか、応援してるねっ」
「なんだ、そうだったのか? 別に構うことないのに、律儀だな全く。じゃあ、行ってくるよ」
――それでも彼らがいたからこそ、ここまで致命的な負傷もなくたどり着くことが出来たのも、事実。
ヒカルは特に文句を言うこともなく、席を立った。
(……本来ならダイナグとノアラグンも、オレと同行するはず。やはり、本来の「シナリオ」とは違う展開になろうとしているな……)
だが、ここでもRが知る「DSO」とは合致しない状況が発生していた。この先に待っているであろう「物語の結末」は、どこに向かうのか。
それは、かつてトッププレイヤーとして名を馳せた彼にも、予見できない。
◇
例の騎士の前に立つと、テイガートは怪訝そうな顔でRをジロジロと見ている。
「王宮での直談判が通じなかったとは言え、よりによって残ったのがこんな子供だとは……ユリアヌ様、マクセル様、どうかお許しを……」
最終的に名乗りを上げたのが少年一人、という状況への嘆かわしさゆえか。彼は懺悔するように、暫し目を伏せる。
到底戦力として当てになどできない、といわんばかりの反応だ。予想していたこととはいえ、露骨なまでに侮った対応を見せられ、Rは微かに眉を顰める。
――本家の「DSO」でも、ここまで邪険にはされなかった。やはり、大雅の人格がテイガートの「キャラクター」に影響しているのか。
「……お嬢様を救うことが、あなたの誇りなんだろう。汚い小僧一人を引き連れたくらいで、その誇りが汚れるものか」
「くっ……」
大雅の顔を持つ彼の前で強気に出るのは気がひけるが、多少は威勢を示さないと話が進まない。
Rはクリア後に彼ら「キャスト一同」が、この世界での出来事を覚えている可能性に冷や汗をかきつつ、あくまで毅然に対応する。
一方、テイガートは言葉に詰まったのか、バツが悪そうにRから目を逸す。よほど、後がないのだろう。
「……やむを得ん。賞金稼ぎとして生計を立てているならば、多少は戦えよう。名は何と言う?」
「ヒカルだ」
「ヒカル……だと? 変な名前だな」
「ほっといてくれ。……しかしオレとあなただけでやるのか?」
「仲間はいる。外で待機してるから挨拶しておけ」
「ん、わかった騎士さん」
「私はテイガート・デュネイオンだ。覚えておけ」
Rの問いに
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