ペルソナ3
1861話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルマーが岳羽と桐条先輩に二股してるって噂が流れてるんですよね」
「あらあら、そういうのはちょっとどうかと思うけど」
そんな風に話す2人だったが、完全に友近は珍田に夢中になっており、珍田も珍田で友近の話を聞きながら何度か視線をこちらに向けてくるものの、その程度だ。
「なぁ、アクセル。俺達ここにいる必要……あると思うか?」
微妙な表情のまま、順平が俺に向かってそう言ってくる。
まぁ、その気持ちは分からないではない。
有里の見舞いに来たのに、気が付けば何故か友近が何とか珍田を口説こうと頑張っているようにしか見えないのだから。
そうなると、俺達がここにいる意味って……と嘆きたくなるのは、分からないでもない。
ただ……既に見舞いに来てから30分くらい立つ。
であれば、いつまでも俺達がここにこうしているってのもなんなので、そろそろおいとました方がいいだろう。
そうなると、最大の問題は……俺達が買ってきたお見舞いの品……写真集をどうするかという事だ。
珍田がいるという情報はなかったが、それでも普通にエロ本を買ってこなかった辺り、正解だったのだろう。
写真集であれば、まだ色々と誤魔化すのも可能だが……もし買ってきたのが普通のエロ本であれば、誤魔化しようもなかっただろう。
もっとも、珍田は年上の女だ。
男のそういう感情も理解してくれると思うので、そこまで心配する必要はないと思うが。
……まぁ、母性的であるが故に、気が付けば隠してあったエロ本とかが机の上に置かれていたりとか、そんな風になりそうな気がしないでもないが。
ともあれ、いつまでもこのままではいられないのは事実だ。
「友近、そろそろ帰るぞ」
「え? もうかよ? まだ来たばっかりだろ?」
「もう30分以上経ってるんだが?」
「まだ、30分だろ?」
そう告げる友近に小さく溜息を吐き、俺は珍田に視線を向ける。
珍田もその視線の意味を理解したのか、小さく笑みを浮かべながら口を開く。
「私ももう少し話をしていたいんだけど、残念ながらこの後、色々と仕事が入ってるのよ。ごめんなさいね」
「え? あー、そうですか。残念ですけど、それはしょうがないですね。じゃあ、俺達はこの辺で……ああ、これ。有里にお見舞いの品です」
そう告げ、友近は自分のバッグからその写真集の入った袋を取り出す。
幸い……と言うのもなんだが、買ってきたままの状態なので、紙袋に入っており、中に入っているのがどんな本なのかは分からない。
だが、珍田は看護婦としての経験から、それがどのような物なのか理解しているのだろう。
笑みを苦笑に変え、受け取る。
「ええ、有里君が起きたら渡しておくわね」
「お願いします。……さ、じゃあ有里の顔も見たし、帰るか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ