第百三十一話 終演への道
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、ベーネミュンデ侯爵夫人が皇后陛下に成られる可能性が御座いますな」
「テレーゼ様が皇太子と成られるのであれば、我ら装甲擲弾兵全てが命をかけ、テレーゼ様をお守りする所存!」
ランズベルク伯が目出度いという感じで話すと、多くの参加者が賛意を述べるが、テレーゼ自身は余計な事を言うなという感じでランズベルク伯を見ている。
テレーゼ自身は自分的な考えが有って未だ未だ皇位継承権の争いの目を残して置きたいので、僅かな時間で考えを纏めて発言する。
「陛下、宜しいでしょうか?」
何時もと違う話し方に違和感を持ちながらもフリードリヒ4世はテレーゼの話しを聞く。
「今、エルウィン・ヨーゼフ殿下を廃嫡したら、皇太子の死が今回の事と関係していると勘ぐる者達も多く出てくるでしょう、そうなると余り良くない状態になるやも知れません。此処は皇太子殿下はクロプシュトック侯が陛下に対して不敬を働いた三十年前の謝罪を仲介中にクロプシュトック侯のテロに御倒れに成られたとして、エルウィン・ヨーゼフ殿下の皇位継承権を形だけでも残しておくべきかと存じます」
テレーゼの欲のない話しに、参加者は驚きを隠せないが、皇帝、グリンメルスハウゼン、ケスラーはテレーゼが何か企んでいるなと感づいていたが、敢えて何も言わなかった。
「殿下、殿下は帝位をお望みでは御座いませんか?」
些か不敬なリヒテンラーデ侯の言葉に嫌な顔をせずにテレーゼは答える。
「銀河帝国開闢以来、女帝は誰1人として誕生しておりません、此処でその慣習を破るわけにはいきません」
「しかし殿下、それでは恐れ多き事なれど、謀反人の子孫が帝位を継ぐ事に成りますぞ」
クラーゼン元帥が、それは止めないと駄目ですと力説するが、それに対しても反論する。
「陛下の男児を誰かが身ごもるかも知れません」
その言葉に陛下の年齢がと顔を見合わせる参加者達にテレーゼが実例を挙げる。
「地球の歴史では70代80代で新たな子を儲けた為政者は多くいます、それに陛下の御子を害していた輩は此処に潰えたのです、未だ可能性が無いわけではありません」
その言葉に参加者も仕方なしに賛同する事に成り、此が元になり、荘園へ隠棲しようとしたグリューネワルト伯爵夫人が後宮に残る要因と成るのであるが、此もテレーゼの策略であった。
結果的に発表された今回の事件と皇太子殿下の死は、テレーゼの策謀通り“クロプシュトック侯が陛下に対して不敬を働いた三十年前の謝罪を仲介中にクロプシュトック侯のテロに御倒れに成られた”として国葬が行われたのであった。
此により皇位継承者4人が並ぶ事になったが、リッテンハイム侯はテレーゼ暗殺未遂事件の関係者として権威を失墜させた為、ブラウンシュバイク公が元気になったのである。
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