第百三十一話 終演への道
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アッサリとグレーザー医師はナイフを捨てて投降した。
グレーザー医師を素早く拘束したグレーザー少佐であったが、同じ名字の奴がこうやって捕まるのは非常に嫌な感じだと思っていた、更に此奴親戚じゃ無いだろうなという、心配事もあったが、後に調べたが何の関係もない事が判りホッとしたそうだ。
「伯爵夫人、お怪我は御座いませんか?」
グレーザー少佐の問いかけにアンネローゼは気丈に答える。
「ええ、皆さんのおかげでこうして無事で居られます、ありがとうございました」
寵姫である伯爵夫人からの丁重な挨拶にグレーザー少佐は恐縮してしまった。
「はっ」
「伯爵夫人、お召し物をお替えになりませんと」
メイドが戦闘で乱れきったアンネローゼの姿を見て身支度をするようにと薦めた。
「けれども未だ陛下の」
「伯爵夫人、陛下も御無事で御座いますし、我々が館を護りますのでご安心下さい」
「陛下が御無事ですか、良かった」
こうして、アンネローゼの危機は去ったが、この事件を知ったらラインハルトとキルヒアイスがどれ程怒るかは想像出来ない状態であった。
帝国暦483年8月5日 午後6時
■オーディン
午後6時までにクロプシュトック侯が企んだ事件は殆どが鎮火した。内務省にはオットー・パウマン大佐率いる武装憲兵隊が突入し制圧した。一番にフレーゲル内務尚書に狙われ易かった内務次官ハルテンベルク侯爵は警察総局に居た為にテロの犠牲にならずに済み、グリンメルスハウゼン憲兵隊総監と協力し合いながら、市内におけるテロ行為に断固たる攻撃を行っていた。
社会秩序維持局にはワルター・フォン・ラフト大佐率いる武装憲兵隊が突入し制圧した、此処にルドルフ大帝以来、市民の恐怖の的であった社会秩序維持局は落日を迎えたのであった。
又皇太子宮殿には宮中警備隊が捜査に入り皇太子妃イリーナと皇太孫エルウィン・ヨーゼフを保護した。その後で皇太子宮殿の関係者全てを拘束し取り調べを始めていた。
又宇宙空間でも脱出したクロプシュトック侯爵領軍の捕虜に対する尋問が始まっていた。
ノイエ・サンスーシでは、近衛兵の武装解除が行われ、一時的にせよ宮中の警備を宮中警備隊と共に装甲擲弾兵が担う事になり、装甲擲弾兵の士気は天にも昇るが如く高まった。近衛総監部に残っていた反逆者を排除後に、近衛総監ラムスドルフ上級大将の殺害が判明し、その最後を聞いた皆が感じ入ったようで黙祷を捧げた。
帝国暦483年8月5日 午後6時
■オーディン ノイエ・サンスーシ ローエングラム大公館
そうした一連の流れの中で、未だ危険であるという事で皇帝フリードリヒ4世は御座所を完璧に護られてていた、ローエングラム大公館へと移し、そこへラプンツェルからテレーゼが到着し親子の感動の再会と
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