第五話
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して今度は必ずや剣を届かせると。そう胸に誓ったのを最後にラウラは意識を手放した。
「あれは完全に気絶してるわね……勝者、カイム!」
勝敗が決したその場は静まり返っていた。無理もないだろう、カイムが攻勢に入った次の瞬間には決着がついていたのだから。
「……リィン、見えたか?」
「いや、踏み込んだのが見えたと思っていたらもう戻ってきていたというか、そんな感じだったよ。」
「俺も似たようなものだ……ここまで差があったとはな。」
「だな……。」
リィンとユーシスは剣士としての力量差に苦い顔をしていた。しかしそれも束の間、ユーシスはいつもの調子に戻っていた。
「ふん、まあいい。目指すべき目標があるのはいい事だ。まずは必ず追いついてやる。そしていずれは追い越して見せよう。」
「……そうだな。」
対してリィンの顔は晴れない。あれはかつて自分が諦めた境地、修行を打ち切られた自分では追いつくなど無理な話だ。そう感じると思っていた筈なのに彼の胸を占めるのは悔しさだった。何故諦めるのだと、あそこに至りたくはないのかと。頭で無理だ、仕方ないと言い聞かせても心は叫んでいた、諦めるなと。
「追いつきたいな……。」
知らず知らずの内にそう呟いていた。
そんなリィンとユーシスの後ろでは他の”Z組”メンバーが話しをしていた。
「な、何をしたのか全く分からなかった……。なんて無茶苦茶な……。」
「うーん、あれでも割と手加減してるんだけどね。ね、アリサ。」
「私は戦ってる所はあんまり見た事ないんだけど……でも雰囲気的には確かに手加減してるかも。」
「そ、そうなんですか!?」
「付き合いのある二人が言うならそうなのだろう。俺も精進せねば。」
マキアスは目の前で繰り広げられた光景にただただ驚き、カイムと付き合いのあるフィーとアリサは彼が手加減している事を見抜く。その事にエマは驚愕し、ガイウスは自分も負けないようにと更に強くなる事を決意する。そんな”Z組”メンバーを尻目にサラはカイムに説教をしていた。
「アンタねぇ、そりゃ気絶まではいいって言った私にも責任はあるけど本当にさせる奴がいる?それも女の子相手に。」
「いや、うん。そこに関しては本当に反省してる。でも何というか、これくらいに負かしてもむしろバネにして伸びるタイプだと思ってな?なんか嬉しくなってつい、な……。」
「全く面倒見がいいと言うか律儀と言うか……まあいいわ、あれじゃ気が付いても少しの間動けないでしょ、保健室まで運びなさい。」
「いや、そこは女子に任せるべきじゃね?」
「他はこれから模擬戦、私は審判。アンタしか空いてるのはいな
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