第五話
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た奥義の通り先に習得した《疾風》だな、それを中心に他の型を組み合わせて戦ってる。……それはそれとしてラウラさんや、そのギラついた目はやめてもらえませんかね。」
カイムの言うとおり彼の話を聞いてからラウラは好戦的な目でカイムを見ていた。彼女の父曰く、剣の道を極める道中において必ず《八葉一刀流》の剣士と会うことになると言われていた様でその話の通り使い手が二人、しかも片方は《剣聖》の称号を持つ剣士だ。彼女としては是非とも一戦交えたいのだろう。
「カイムよ、今から一戦手合わせ願えないだろうか。《剣聖》の称号を持つ剣士の力、是非とも見てみたい。」
「今からは勘弁してくれ。……おいサラ。」
「ん〜、何?」
「明日から通常授業が始まるんだろ?当然戦闘訓練もあるよな?」
「そりゃあね。……成る程そういう事、ラウラ。」
「なんでしょうか。」
「最初の戦闘訓練の日の模擬戦であんたの相手にカイムを当ててあげるわ。だからその日まで我慢なさい。少なくともこんな夜中に今からやられたら近所迷惑になるし街道は魔獣が凶暴になるから万が一、億が一があるしね。」
「……分かりました。ではカイムよ、その日を楽しみにしているぞ。」
そう言うとラウラは女子部屋のある三階に上っていった。直ぐに手合わせできないのは残念なようだが変わりに予定を確約できた事に満足したようだ。
「やれやれ、面倒なことだ。」
「なんというか、剣に真っ直ぐって感じよね。」
「ああいうの苦手。」
カイムの言葉にアリサは苦笑混じりに、フィーは少々ウンザリ気味に返した。そしてその日はそこでお開きとなり全員が就寝した。そして数日後の授業の日にあった戦闘訓練の時間に模擬戦の時が来た。
「さあ、始めようカイム!」
「おおう、超やる気じゃねえか。」
グラウンドには待ち望んでいた模擬戦が行える事に気合の入ったラウラと、その様子に若干引いているカイムが相対していた。審判として二人の間にサラが立ち、少し離れた場所で他の”Z組”メンバーが見ている形だ。特に自分と同じ流派でありながら自分の先を行く剣士の力を見れる機会のリィンと剣の種類こそ違うものの剣士であるユーシスは他以上に真剣に見ていた。
「勝敗は相手に降参の類の発言をさせるかどんなにいっても気絶させた方の勝ち。ただし初日で怪我されても困るからあんまり大技は使わない事、いいわねカイム?」
「俺限定かよ……。」
「当たり前でしょうが。」
サラの言葉に少し不満そうながらもラウラが頷きそれに続きぼやいていたカイムも頷く。それを見てサラは少し後ろに下がり、
「それじゃ──始め!」
試合開始を宣言した。
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