ー 屠ルモノ ー
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ないために果敢に切り込むユーリへと振り下ろされると、その真下に飛び込む影があった。 ヒースクリフだ。 巨大な盾は、衝撃音と火花を撒き散らしながら、鎌を迎撃する。
「ユーリ君、君は攻撃に専念したまえ。 鎌は私が防ごう」
片方の鎌を抑え込んだヒースクリフが視線だけを向けてそう言い放つ。 その後ろでは一足遅れたキリトとシィが攻撃に加わり、ようやく呪縛が解けた一団が雄叫びを上げ、武器を構えてスカルリーパーに向かって突撃する。
「ーーアスナ!」
「キリトくん! 一緒に! 」
キリトとアスナ。完璧にシンクロした二人の剣がスカルリーパーが二筋の光芒を描き、鎌へと命中。 敵の攻撃を弾き返した。 怯んだスカルリーパーに強烈な一撃を与えたユーリが背後に向かって叫ぶ。
「スイッチ!!」
「ハァァァァァァ!!」
後ろに下がるユーリと入れ替わるようにして、大鎌に持ち替えたシィが突撃する。 唸りをあげて振るわれる大鎌の軌跡が薔薇の紋様を空へと刻む。
「オニキスローズ!!」
漆黒の薔薇を意味するソードスキルがスカルリーパーの頭部に炸裂し、骨で構成された上体がふらついた。
刀身に刻まれた紅いラインが血を求めるかのように脈動する大鎌ハルペー。 ハルペーの特殊能力である異形特攻はスカルリーパーに対し、絶大な効果を発揮していた。
体勢を崩したところにさらに追撃を受け、スカルリーパーの巨体が横倒しに転倒した。
状態異常の一つ、転倒。 この巨体だ、数十秒は動けないだろう。
この好機を逃さないはずがなくアスナが細剣を指揮棒のように振るい、叫んだ。 それに一団は雄叫びを上げて答えた。
「畳み掛けて!」
「ォォォォォォォォォォ!!」
スカルリーパー何するものぞ。 起き上がれずもがく骨百足に色とりどりの光を纏った武器が叩きつけられ、ヒットポイントを削る。
「喰らいやがれっ!」
「ウォォォォォ! 仲間の仇い!」
ランスが骨を抉り、戦槌が砕く。
一歩間違えば全滅もあり得る綱渡りのような戦況で仲間の死すら力に変えたプレイヤーたちが徐々にボスを押し始める。
しかし、僅かな希望すら砕こう転倒状態から復帰したスカルリーパーが憤怒の咆哮を上げる。
「正面は私たちとA隊が抑えます! 残りはは左右に分かれて、脚を止めてください!」
敵の攻撃の隙間に血盟騎士団の副団長としての面影を見せるアスナが鋭い指示を飛ばす。
プレイヤー側の最高戦力と今までの中で最悪の敵。
命をとした 両者の死闘はひとりのプレイヤーによって予想だにしない結末を迎えることなる。
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