95栞と真琴の末路
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と思って、本当は皮を剥いで火を通すといいんだけど」
「ああっ!うわああああっ!」
絶望して泣く祐一、もうこの家には話し合える者などいなかった、そして自分にも狩猟者?の血が流れているらしい。
「しっかりして下さい、祐一さん」
床にこぼれたピロの血と、自分の胃液を秋子が片付け始めてティッシュでふき取っている間に、また逃げるために着替え始める祐一。
チーン!
「わ〜い!ねこさ〜ん」
生臭い死臭と、猫の肉が焼ける匂いにむせ返りながら、祐一は家を飛び出した。
真琴、秋子、名雪、そして昨日の栞、祐一の周りで何かの歯車が狂い始めていた。
祐一は逃げるように学校に向かい、真琴関連と妖狐関連で相談のできる美汐に、縋り付くようにして話した。
「みっ、美汐っ、聞いてくれ…」
祐一は泣きながら話した、もう真琴は飼い猫をエサか非常食程度にしか認識していないこと、もう名雪も秋子も心まで汚染されたのか、本性を発揮して妖狐になり、人間もネコも所詮捕食するためのエサだと思っていると伝えた。
「もう… 災厄が起こってるんですね。昔から伝えられています、長く人の世に暮らした妖狐は、いつか人の血の味を覚え、愛した者も子も、その餌食とすると」
真琴が存在できる時間は一ヶ月、それを超えると幸福に揺り戻しが来て、破滅と災厄が降りかかる。
「何だって?」
その理屈なら自分も同類で、両親も同様、人を喰い始める。
「ゆうくんは大丈夫よ、力(天使の人形)が抜けているんだから。元から力を失ったままのご両親も多分無事、秋子様も力を失ったはずなんだけど?」
「エ?」
祐一くんが自前のコーキングガンを秋子ちゃんに突っ込んで、力とか白いコーキング剤で充填して補強しちゃっていた。
その心の声は、もちろんみ〜ちゃんにも伝わった。
「ゆ、ゆうくん、ヤッパリ秋子様とも生で… に、妊娠させるつもりで? 悔しい〜〜〜〜!」
「カヒューーン」
ゆうくんは別の捕食者に倒された。逃げた先で人に話しかけると「もしかすると、そいつはこんな顔してなかったかえ〜?」とか「お前の後ろだ〜〜!」みたいな感じで首を絞められた。
勿論、美汐の中にも魔物が入れられ、反抗も虚しく魂まで食われ、元の状態を保っているが、潜伏期間が1か月を過ぎれば全身を汚染、支配され尽くして栞や真琴のようになる。
相談した二人は、学校が終われば真琴の後を追い、何をしているか見極める。
レベルは低いが相手は妖狐なので、不敬を行えば美汐に災厄が降りかかる。しかし祐一なら単に同族殺しで済む。
教室、香里と祐一
「あ、相沢君」
両親にも誰にも相談できず、名雪とは絶交したまま、相談相手に困った香里は、妹の恋人でもあり、自分の充電器で恋人でもある祐一に相談してみた。
もう妹は人間ではな
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