95栞と真琴の末路
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校側が体面を保つため、事件自体無かった事にして、生徒の他愛無い悪戯として処理されていた。
「昨日から元気がないから、特別にご馳走あげる」
「どうせ肉まんだろ、食べたくない」
「ほらっ、ジャジャ〜ン」
しかし真琴の差し出した物は?
「うわああああああああああ!!」
祐一の叫びは、向こう三軒両隣まで響き渡った。
「何驚いてんの? これぐらいで、子供みたい」
叫び声を上げて驚く祐一を見て、勝ち誇った表情になる真琴。
トントントントン
騒ぎを聞いた秋子も二階に上って来た。
「どうしたんですか?祐一さん」
「ま、真琴が…」
震える手で真琴を指差し、その手の中の物を秋子に見せる。
「真琴がぴろを、ぴろを食っちまったんだ〜!」
泣きながら「ピロだった物」に視線を戻すと、その痛ましい姿が網膜に焼きついた。
「ほら、一番美味しい「はらわた」と「脳みそ」は、祐一にあげるから、これ食べて元気出しなさいよ」
今まで家族同然に暮らした猫の死骸を出され、元気が出る者などいる筈も無い、ましてや「食べろ」と言われて。
「秋子さんっ! やっぱりこいつも人間じゃないっ! いくら教えたって、こいつにとって猫は食い物でしかないんだっ!」
絶望して涙を流し、家族が一匹死んだのを受け入れられず、震えて嘔吐しそうになる。
「了承」
そう言って、何事も無かったように、一階に向かう秋子。
「何言ってるんですか? 秋子さんっ! こいつは、こいつはピロを殺したんですよっ、それも食い殺し…」
そこまで言って、嘔吐感に襲われ、ゴミ箱に走って行く祐一。
「あ〜あ、これぐらいで吐いちゃって、やっぱりガキね〜〜」
空っぽの胃から胃液を吐く祐一の前に、さらにピロを押し付ける真琴。
「やっ、やめろっ! おうっ」
生臭い血の匂いが、さらに嘔吐を促す。
「もう、だめね〜、あたしが食べちゃうから」
バキッ、コリコリコリ、クチャクチャクチャ
「どうしたの?」
廊下から名雪の声がしたが、これだけは見せる訳にはいかない。
「だめだっ、入るんじゃない、見るなっ!」
「あ、ねこさ〜ん、おいしそ〜」
また祐一が信じられない事を言う人物が一人。
「何っ?」
「へへ〜ん、やっぱり祐一が一番ガキね、猫も食べられないなんてっ」
「名雪は「生」で食べちゃだめよ、せめてレンジで暖めなさい」
「秋子さんっ!」
「は〜い、ね〜こさん、ね〜こさん、レ〜ンジでチ〜ン」
「あう〜〜〜〜」
意味不明な歌を歌いながら、名雪と真琴がリビングに降りて行った。
「秋子さん! 何言ってるんですか、名雪に、それもレンジで、ううっ!」
もう吐く物など何も無かったが、嘔吐感は押さえられなかった。
「ええ、名雪は猫アレルギーだから、生はちょっと無理だ
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