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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Escalation;激化
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められるダメージとしては割と多い。ブレイン・バーストでのレベルアップは、アビリティ強化や新たな強化外装取得のチャンスでもあるが、それ以外にも一般的なレベル性RPGとかと同じように防御力と体力も比例してちゃんと増加する。実質的上限であるレベル9のブラック・ロータスの半透過アーマーを貫通したということは――――

―――体術主体(メイン)か?いずれにせよ、かなり完成度が高い!

黒蓮のスカートを翻しながら、黒雪姫は懸命に崩れた姿勢を立て直しにかかる。だが、その間隙を見逃すほど敵も甘くない。

キュガッ!という音すら置き去りに、一本の槍のごとくピンと伸ばされた腕が、手刀が、一切の遠慮容赦なく抉り取るように顔面の鏡面マスクに向かってくる。これを全力のホバー移動で辛くも回避したところを、すかさず待っていたミドルキックがヒット。

装甲の薄い脇腹を狙われたせいか、ゲージが先刻より多い一割ほど削れられた。

だが、同時に必殺技ゲージも溜まっている。黒雪姫が右腕を大きく引き、既定のモーションを取ろうとすると、それをいち早く勘づいた少年は大きく左後方に跳ぶ。先の必殺技使用で、素直な逃走はタメにならないと学んだのだろう。

―――大勢が自分に有利でも、近接特化の私に対して無理な追撃は取らない、か。なるほど、戦闘の趨勢も見えている。

途上にあったモーションを解除し、必殺技を強制終了させる。右手剣に宿りつつあったヴァイオレットブルーの光が徐々に減衰して消えていく様を視界の端に捉えつつ、黒雪姫のほうもゆっくりと後ろに下がった。

―――のらりくらりとした戦闘センス。私の剣戟を容易く見極める動体視力。平面的な動きに縛られていない、三次元的な身体の使い方。まったく、どちらが《王》だ……。

淡い苦笑を挟みつつ、頭に残った余熱を吐き出して冷静に分析を進めていく。

相手の正体にはもう興味はない。ここまで熱く、滾る対戦をともに奏でるのだ。探るような真似は逆に無礼だろう。ことここに至っては、もはや対戦あるのみ。

だが、一合打ち合ったからこそ分かる。

相対しているだけでノドがからからに乾くような重圧感。このプレッシャーを裏付ける実力は、紛れもなく本物だ。どころか、いまだ力の奥底が見えないまでもある。

遊ばれている。

これがただのハイランカー達であったならば分かりやすい怒りも覚えたのだろうが、これほどまざまざと彼我の差を見せつけられた後だとそれも浮かばない。まるで老人にあやされているような気分だった。

まだレベルが低かった頃に、格上に無謀にも乱入したのを思い出す。経験も、潜ってきた修羅場の数も違う感覚。見たこともない手、聞いたこともない展開。

ぶるり、と武者震いに似て非なる反応が二の腕から全身を伝わり落ちるのを感じて、
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