人魔パラドクス
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る物は大量の長い長い髪の毛だった。
「あっ、あっ」
大量の髪の毛が麻美の手足に絡まる、そしてうつむきで大の字に宙吊りにされる。
「ギ、ギ、ギ」
きしむような呻くような声がどこからともなく聞こえている。
やがて髪の毛がゆっくりゆっくりと麻美の首にまとわりついてくる。
(これだ……これで一家が……)
「あっ、あっ」
大の字で宙吊りのまま首を絞められる。
「ギ、ギ、ギ、ギ」
「うっ、うっ」
意識が朦朧としてくる、体から力が抜ける。
「ジョジョー」
麻美は意識を失い失禁した。
「そこまでよ」
いつの間にか織田美樹が、いや魔王卑弥呼が廊下に立っていた。
「ギ、ギ、ギ!」
「人魔パラドクスその子を離しなさい」
「ギ、ギ、ギ、ギ」
「それしか言えないの?」
「ギ、ギ、ギ」
卑弥呼は麻美の首にまとわりつく髪の毛を掴む。
「むんーー」
「パツンッ」
両側から絡み付く片方の髪の毛を腕力で千切った。
「ギ、ギ、ギ」
「むんーー」
もう片方の髪の毛も千切りにかかる。
天井から新たに髪の毛が降りてきて卑弥呼の首に絡み付く。
「うっ、くっ」
卑弥呼が自分の首に絡みついている髪の毛を腕力で千切った。
「パツンッ」
「ギ、ギ」
そして麻美の首を絞めている残りの髪の毛も千切る。
「ギ、ギ、ギ、ギ」
天井から滝のように次から次から髪の毛が降りてくる。
麻美は首こそ絞められていないが大の字で宙吊りのままだ。
「キリがないな」
卑弥呼は天井に向けて大きく口を開ける。
「うぉぉーん」
天井が卑弥呼の超音波により小刻みに揺れる、そしてそれとは別に天井自らの意志で苦しそうに大きくクネクネと揺れる。
天井から大量のホコリが舞い落ちる。
「ギ、ギ、ギ」
髪の毛が麻美を離す。
「ドタッ」
麻美がうつぶせのまま落ちるがピクリとも動かない。
「今日のところは引き返すか」
麻美を抱き上げ廊下に出る、先ほどの部屋から
「ドサッ」という音がする。
麻美を抱きながら階段を降りる。
「うん?」
確かに今階段を降りた、しかしそこは2階だった。
部屋から裸の女、人魔パラドクスが這いずりながら出てくる。
「ギシギシギシ」
麻美を抱えながら階段を降りる。
しかしまたもや2階だ。
全身の間接を奇妙に折りまげ這いずりながら近づくそれが立ち上がる、まるでクライマックスとでも言うように。
「ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、ギ、」
(逃げられないか、この子が邪魔だが戦うしかないな)
それは逆さに目を吊り上げてゆっくりゆっくりとこちら
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