ペルソナ3
1860話
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店があるというのは普通だから、それ自体に特に驚きはしなかったが、その規模はかなり大きく、ちょっとしたスーパーくらいの大きさがあるのには驚いた。
うん、何だろうなこれ……さすが桐条グループといったところか。
見舞いの品は普通にここで買えるようにもなっている。
ただ、本とかはそこまで多くないから、俺達の見舞いはあれで良かったと言うべきか。
そんな風に考えながら病院の通路を進み続け、エレベータに乗って……やがて有里の病室に到着する。
「あー……やっぱりまだ誰かいるな」
病室の中から聞こえてくる女の話し声に、俺は小さく溜息を吐く。
ここで有里の見舞いにやってきた女達と出会ったら、色々と面倒な事になりそうな気がした為だ。
有里のファンの中には、何と言うか猪突猛進? それに近いような奴もいる。
ファンの独占欲とか、そんな感じで。
だからこそ、数日であっても俺達と有里が仲良くしているのが気に入らないと考える奴もいるというのは、有里のファンから聞いていた。
同じファンだが、それを売るのか? と思ったが、聞いた話によるとファンの中にも穏健派、過激派といった具合に派閥があるとか何とか。
……有里の魅力、恐るべしって奴だな。
「どうする?」
「どうするっつったって……」
俺の問いに、順平が困ったよう病室に視線を向け……
やがて、不意に病室の扉が開く。
そして出てきたのは、2年だが他のクラスの女が2人。
2人揃って不愉快そうに眉を顰め、俺達の方を見ると更に一段不愉快そうな表情を浮かべながら、それでも特に何も言わずに去っていく。
そんな女達の姿を見て、順平と友近が安堵の息を吐くのが分かる。
妙な風に絡まれなかった、と思っているのだろう。
そんな2人を見て、俺は口を開く。
「じゃあ、行くか」
「あ、ああ」
「お、おう」
どこか及び腰の2人を引き連れ、有里の病室を軽くノックする。
「はーい、どうぞ」
中から聞こえてきたのは、女の声。
ん? まだ誰かいたのか?
一応ノックはしたのだが、返事があるとは思ってなかったのだ。
さっき病室の中から聞こえてきた話し声は、今出ていった2人の女のものだとばかり思っていたのだが……
だが、桐条に病室に病院の人間を置いておいた方がいいと言った事を思い出すと、すぐに納得する。
そうして部屋の中に入った俺達を待っていたのは、1人の看護師……言い慣れないので、看護婦でいいか。ともかく、その看護婦だった。
「おお!」
20代半ば程のその看護婦を見て、友近が嬉しそうな声を上げる。
まぁ、母性に溢れてそうな優しそうな顔をしているのが、友近的には年上を感じさせて満点だったのだろう。
ナース服を盛り上げている
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