暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
44 帰国
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いいかい?」
「ごめんね、今日は花輪クンの家に寄っていくからできないわ」
「あ、そうか、いいんだ、じゃあね」
 藤木はそう言うと、リリィは花輪と共に教室を出た。その時、みぎわがリリィと花輪が一緒にいることにショックを受けていた。
「あ、ああ、私の花輪クンが、どうしてリリィさんなんかと、どうして!?私だけの花輪クンなのに!!」
 みぎわは花輪を追いかける。そしてリリィに文句を言う。
「フンッ!花輪クンと一緒に帰って、花輪クンは誰にも渡さないって言ってるでしょ!フンッ!」
「え、あの、その・・・」
「みぎわクン、お、落ち着きたまえ、僕がリリィクンと帰るのは別の事でだよ・・・」
「え、なあに、それって〜」
 みぎわの口調が甘ったるい喋り方に変わった。
「リリィクンのイギリスの友達が、日本に来るっていうから、その人が泊まるための部屋をリリィクンに確認させるのさ。いわゆる、打ち合わせってやつさ、baby」
「まあ、そうだったのね〜、・・・って何ですって!?」
「まあ、まあ、落ち着きたまえ・・・」
「あの、みぎわさんもよかったら日曜に私の友達に会いに行かない?貴女にも紹介したいの」
「え・・・?まあ、いいけど」
「だから、誤解しないでくれたまえ、Baby」
「まあ、花輪クンったらあ、やっぱり私の事を想っているのね〜」
 花輪は早速みぎわに誤解されていた。
「り、リリィクン、行こうか!」
「そ、そうね・・・」
「それじゃあ、see you good bye,baby!」
 花輪はリリィと共に急ぎ足でヒデじいが待つ車の場所へと向かった。

 藤木はリリィの友達とはどんな人か考えた。自分は英語が話せないので言葉が通じなかったら意味ないだろうと不安になった。
「藤木君、君リリィの友達ってどんな人か気になっているんじゃないのかい?」
 一緒に歩いて帰っている永沢に心の中を読まれた。
「いや、そんなことないさ!」

 翌日、藤木は山根と共に帰ろうとした。その時、リリィが二人を呼び掛けた。
「あの、私も一緒にいいかな?」
「え、も、もちろん!」
 藤木は昨日できなかったリリィと一緒に帰ることが叶って嬉しかった。
「昨日断ったお詫びもあるし、今日は藤木君と帰ろうかなと思って」
「え、う、うん・・・」
 こうして藤木、山根にリリィも入れた三人で帰ることになった。
「それで、花輪クンのお母さんも帰ってくるって言ってたわ。花輪クンも両親となかなか会えなくて大変なのね」
「うん、花輪クンの寂しさは僕も分からなくはないよ。僕は花輪クンと違ってお金持ちじゃないけど、両親は共働きで遅くまで帰ってこないからね」
「うん・・・、あ、そうだ、山根君」
 リリィは山根の方を向いた。
「山根君も是非花輪クンの家に行かない?イギリス
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ