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レーヴァティン
第二十五話 最後の修行その九

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「そうしていました」
「成程な」
「それで、です」
「俺達は合格か」
「及第です」
 童子はこう英雄に答えた。
「見事」
「及第か」
「はい」
 そうだというのだ。
「そちらになります」
「合格ではなくか」
「及第ですが駄目でしょうか」
「同じ意味だな」
 合格も及第もとだ、英雄は童子に返した。
「そうだな」
「はい、そうなりますね」
 及第は中国の科挙の言葉だ、とてつもなく難しい試験で最後の殿試をパスすれば高級官僚になることが出来た。その科挙への合格をそう呼んだのだ。
「ただの言葉の違いだけです」
「つまり俺達は御前の主に会えるか」
「ご主人様がそう認められました」
「俺達の実力をか」
「貴方達なら」
 英雄達三人ならというのだ。
「共にです」
「旅をしてこの島を統一することに力を貸してもか」
「いいと。少なくとも実力は」
「及第だな」
 英雄もこの言葉で応えた。
「そうだな」
「はい、おめでとうございます」
「ではだ」
 その言葉を聞いてだ、英雄はまた言った。
「これから案内してもらおう」
「それでは」
 こうしてだった、三人は屋敷の中に案内された。そして奥の部屋に案内されるとそこにだった。
 黒い礼装を着た白い面長の顔に切れ長の目を持つ男がいた、顔立ちは整い背は中肉中背だ。
 その彼がだ、三人に言ってきた。
「お初にお目にかかります」
「こちらこそな」
 英雄が青年に応えた。
「これから宜しくと言っておく」
「はい、それでなのですが」
「橋のことか」
「失礼しました、ですが」
「あれで俺達のことはわかったな」
「はい」
 そうだとだ、青年は英雄に答えた。
「左様です、では童子鬼にこれから茶を持って来させますので」
「童子鬼か」
「私です」
 案内したその童子が笑って右手を挙げて言ってきた。
「私の名前です」
「そうか、やはりな」
「はい、私はご主人様が使役されている鬼でして」
 陰陽道のそれだというのだ。
「身の周りのお世話をさせて頂いています」
「そうなのだな」
「はい、そしてです」
 青年も英雄に言う。
「先程の龍達は緑龍といいまして」
「やはり使役している鬼達か」
「はい、他にも様々な龍の霊を使役しています」
 そうだというのだ。
「戦いの際も使います」
「かなり強そうですね」
 譲二が言ってきた。
「あの龍達を戦いに使うとなると」
「陰陽道での戦いには絶対の自信があります」
 そうだとだ青年は譲二にも答えた。
「他にも様々な術を知っていますので」
「それは何よりですね」
「ただ、あの龍達をあそこまで簡単に倒せるとは」
 青年はこのことについても言及した。
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