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魔王卑弥呼
淫魔インキュバス
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めて世界のためとか人類のためとか」

「世界中を駆け回る訳には行かないからな、ここは日本、そして東京だ」
 美樹は卑弥呼の影響を受けていたが卑弥呼も同じく美樹の影響を受けていた。

(考えが甘いな、前よりも色々と弱くなってるんじゃないか)
「魔王卑弥呼、一緒に来てくれないか?」
 ニッコリと笑う。
 卑弥呼は少しだけこの男の事を可愛いと思った。
(可愛い?冗談じゃない、こいつはインキュバスだ)

「人目につかない所へ行きましょう」
 男が手を差し出す。
「……話だけでも聞いてやる」
 差し出された手は無視するものの男について行く。

 裏路地に入る。
「さっきは無視されたけど」
 男が手を差し出す。
(この男は何を言ってるんだ?でも手くらいは握ってやっても……)

 卑弥呼が男の手を握る、美樹に戻っているのだろうか?
「ありがとう嬉しいよ」
(ああ?嬉しいだと? そんな言葉に騙されるもんか)
「ご無沙汰何でしょ?魔王になってからオスと交わってないんでしょ?」

(なんて無礼な奴だ、絶対に殺してやる!)
 男はスーツのチャックを外して股間の逸物を出す、それはとても長い長い物だった、人間の腕以上の長さだ、しかも2本生えている。

「魔王卑弥呼、ひざまづいてくれ」
 卑弥呼がひざまずく。
「この2本の内好きな方を口で咥えてもらう、そしてもう1本を手でしごきなさい」

 卑弥呼は男の物に顔を近づけて行く。
(だめよ、騙されてはだめ)
(誰だ?お前は誰だ?そうか美樹か?違うのか?……私は……誰だ?)
 夢が覚めていく。

(人間の心が私を弱くしているのか?いや違う、私の心が弱かったのだ、そして今人間の心に助けられた!)
「ガブッ」と男の物に噛みつく。
「ギャギャー」
 そのまま食い千切る。

「ギャギャギャギャーーー!!」
 男が、いやインキュバスがわめき散らしのたうち回る。
「危ない所だった、かつての私ならお前に負けていたかも知れない」

 卑弥呼はゆっくりとインキュバスに近づき残酷な悪魔の笑みを浮かべる。
「痛い痛い、た、助けてくれ死にたくない、まだ1本残ってる、これでも楽しめるから殺さないで!」

「じゃあこうして、あ、げ、る」
 無傷のもう1本を足で踏みつぶしてやった。
「ギャギャーーーギェェーー」
 まな板の魚のように地面をのたうち回り暴れる。

「ギァァーー生きがいがぁ、死んだ方がましだーー」
「あっそう」
 卑弥呼はインキュバスの頭を目がけて思いっ切り足を踏みおろした。
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